近 況 報 告

 

 生まれつきの難病「視床下部過誤腫」の治療のために来日していた、ブルガリアの少女ステラ・ボジダルスキーちゃん(7歳)のその後の経過をご報告いたします。

 

 ステラちゃんは、予定より遅れて4月16日に来日し、成田から新潟市へ直行して国立病院機構西新潟中央病院に入院しました。ブルガリアからご両親が同行しており、同院院長の亀山茂樹氏と医師村上博淳氏が主治医として担当され脳波、心理状態など手術前のいろいろな検査や、慎重な観察のもとで心身の状態がチェックされました。

入院して数日後には病院の職員に付き添われて両親とともに、見ごろを迎えた新潟市内の桜の花見も楽しみました。

 ゴールデンウィークの連休明けの5月8日に亀山先生の執刀により、細い電極で患部の21か所を焼灼するという難度の高い手術が行われ、無事に終わりました。腫瘍は、ミックスタイプといわれる直径30ミリほどのかなり大きなものだったといわれます。この分野では世界で最高の脳外科医である亀山先生にとっても大変難しい手術だったと思われます。今回の施術の見学のために来日したブルガリア側の主治医であるソフィア大学の医師も立ち会ったとのことです。

 しばらく観察が必要だと思われますが、今のところ、術後の経過も順調だそうです。病室は、病院側の配慮により特別室にご両親が同室で身の回りのケアなどに当たっています。
 退院は5月19日の予定です。
 帰国は5月23日。
 帰国後、リハビリや知能の向上のためのトレーニングを受けることと思われますが、予定では、もう一度来日して亀山先生の診察・治療を受け、その時に、2回目の手術が必要か否かの診断がされることになります。

 病室へは、大関琴欧洲から励ましのことばと 手形の入った色紙が届けられたといいます。

 今回の医療経費約200万円は、ブルガリア政府の助成が得られることになりました。
 しかしながら、再来日での渡航、受診などに患者側の負担も高額に上ることでしょう。

 すでに皆さまから多くの募金が寄せられており、5月10日現在で35万円あまりの額に達しております。
 募金につきましてはステラちゃんのご両親にお渡しいたしますが、再来日した時の医療費、その他の必要経費の援助のために、このまま支援募金活動を続けまして適正に処理し、皆さまから寄せられたご厚志が届けられるよう全力を尽くしたいと思います。

 終了次第、報告書を公開いたします。

 お寄せいただいた皆様のご温情に心から感謝申し上げます。このたびの治療に全力を尽くされた亀山茂樹先生をはじめ病院の関係スタッフのみなさまの人類愛に満ちたお仕事に対しても衷心より敬意を表したいと思います。

 

2012年5月16日

 

中馬誠二


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