ブルガリアの世界遺産 ― マダラ騎士像 - (Madara)

マダラの騎士像は、北西ブルガリアのマダラ高原にある高さ100mの断崖に刻まれた巨大なレリーフです。縦2.5 m、横3 mという巨大さもさることながら、それが周りに足場のない地上20m以上の高さに刻まれている点に特色がある。制作方法等は未解明である。

レリーフは高さ100mの断崖の地上23m付近に刻まれている。 この浮き彫りは、左手で手綱を握り右手に持つ矛で馬の足下の瀕死のライオンを剌す騎士の姿です。 騎士は右向きで、馬の足元に横たわるライオンに槍を突き刺している。 馬の立ち姿は儀礼的で落ち着いた歩みを連想させるものです。 後ろには犬が立っています。 ワシが騎士の前を飛び、犬が騎士の後ろに従っている。 この情景は、象徴的な形で戦勝を描いていると見なされている。 騎士、犬とライオンの象徴的な画像、そして姿勢や精密に描かれた服装は、中世前期の 国王の戦勝場面ノ代表的なものとされています。

この記念碑は710年頃に描かれたと推測されているが、これはつまりブルガール人のハーンであったテルヴェルの治世下の制作であることを意味する。そして、この線で理解した場合、描かれている騎士はテルヴェル自身で、7世紀末にブルガリア北部に居を定めて、現在のブルガリア人に連なる土着のスラブ人たちとまじわったブルガール人たちの遺産であるという仮説が支持されることになる。

馬に乗った人(騎士)、猟犬、ワシとイノシシの姿を8世紀に浮き彫りにしたマダラの騎士像はブルガリア北東部のマダラ高原にある。地上23メートルの高さに刻まれた縦2.5m、横3 mのレリーフはどのように作成されたかいまだに不明である。馬の足元に横たわるライオンに槍を突き刺している、ワシが騎士の前を飛び、犬が騎士の後ろに従っているという情景は、象徴的な形で戦勝を描いていると見なされている。騎士像は8世紀のブルガリアの王様テルヴェルを描いている説がある。テルヴェル王様はアラブ人の危機を予告し、巨大ライバルでありながらビザンチン帝国の首都コンスタンチノーポルをアラブ人の包囲から救った。その結果アラブ人はアジアからヨーロッパへの侵入が止められた。

マダラの騎士像にライオンも描かれていることから当時のブルガリアでは野生のライオンが有ったではないかという仮説もある。マダラの騎士像と直接関係はないが、ライオンについて面白い 伝説がある。

この浮き彫り像は8世紀に作られたとされていて、最近の研究ではこれがパン・クルムの浮き彫り像だという説を否定しています。 パン・テルベルがビザンチン軍に勝った際の記念だと考えられています。
このヨーロッパでも独特の像は古代ブルガル人の最古の芸術作品の一つで、古代ブルガル族の南への移動に伴って伝えられた伝統を証拠だてるものです。
1979年にユネスコの世界遺産に登録された。















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