EU関連特集



シリア難民殺到=EUに財政支援要請-ブルガリア

 【ソフィアAFP=時事】ブルガリアのヨフチェフ内相は17日、シリア難民の殺到を受け、欧州連合(EU)に財政支援を要請した。ブルガリアで現在、難民申請中の4010人のうち1465人がシリア人。隣国トルコやギリシャを経由してブルガリアへ入国し、急増中だ。
 内相は「EUの外堀をブルガリアは守っている。深刻な重荷だ」と強調。難民を他のEU諸国に移送させられないか検討していると訴えた。(2013/09/18)

17日、トルコ国境に近いブルガリア南東部エルホボで、施設に収容されているシリア難民(AFP=時事)

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ブルガリア財務省、年内起債のユーロボンドのロードショー開始

2012/06/26


 ブルガリア財務省は25日から年内に起債を予定しているユーロボンドのロードショー(起債前に機関投資家に行う会社説明会)を開始した。ソフィア通信社(電子版)が伝えた。

 ユーロボンドとは、発行国が自国以外の市場で起債する債券のこと。今回の幹事会社は仏金融大手BNPパリバと英金融大手HSBC、オーストリア金融大手ライファイゼン・インターナショナル(RBI)。同省によると、発行額は9億5000万ユーロ(約950億円)、期間5年で、市場ではクーポンが5.5%になるとみられている。これは来年1月15日に満期となる11年債のクーポンを2%ポイント下回る水準。調達した資金は11年債の1回目トランシェの償還金8億3500万ユーロ(約835億円)の返済に充てられる。

 同国のソブリン債格付けはムーディーズ・インベスターズ・サービスが「Baa2」、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は「BBB」となっている。


(増谷栄一)

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オランダ政府、シェンゲン協定国拡大に反対

2011/12/11

オランダは、他のEU加盟国からの圧力にもめげず、ルーマニアとブルガリアがシェンゲン協定国に加盟することに反対している。マーク・ルッテ首相は、この2カ国が贈賄や組織犯罪に対し十分な対策をとっているという具体的な証明を要求している。同首相はこの2カ国がシェンゲン協定に加盟するにはまだこれらの対策が十分でないとしている。
EUは、オランダの決断を来年の3月まで延長することにしたが、ルッテ首相は意見を変えることはないと表明した。

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[FT]ユーロよりもさらに売られる東欧通貨

2011/11/17説明: 日本経済新聞

(2011年11月16日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 東欧諸国はユーロ圏の外にいる利益を享受するどころか、単一通貨のクラブから除外されている重圧を感じている。チェコ、ハンガリー、ポーランドでは、ユーロ圏の混乱がもたらす影響への不安から通貨が急落している。

避難先から一転、下落へ

説明: チェコの通貨コルナはユーロに対して5日間で2.5%下落した(11月15日、プラハの中心を流れるブルタバ川)=ロイター
チェコの通貨コルナはユーロに対して5日間で2.5%下落した(11月15日、プラハの中心を流れるブルタバ川)=ロイター

 イタリアの借り入れコスト上昇のしわ寄せがユーロに及び始めた11月9日以来、ハンガリーの通貨フォリントは対ユーロで3%以上下落、ポーランドの通貨ズロチは1.5%下落した。つい先月まで東欧で相対的に安全な避難先だったチェコのコルナでさえ、その地位を失った。年初から対ユーロで値を保ってきたコルナは過去5日間で2.5%下落した。

 為替アナリストは一斉に東欧に背を向け始めた。9月に飛び交っていたリポートは自信たっぷりに、コルナは新興国通貨の中では避難先のステータスがあると主張していた。今では多くの為替アナリストがチェコの通貨への見方を180度変え、ユーロに対してコルナを売るよう推奨している。

欧州に大きく依存

 多くのアナリストは、ユーロ圏の危機が同地域の密接な貿易相手である東欧諸国に深刻な影響を及ぼす可能性が高いことに外国為替市場が気づくまで、これほど時間がかかったことに驚いている。

 チェコはユーロ圏と最も接触がある新興国だ。UBSがまとめたヘイバー・アナリティクスのデータによると、過去12カ月間のチェコのユーロ圏向け輸出は国内生産(GDP)比49%に上っている。ハンガリーのユーロ圏向け輸出は同国GDPの44%を占め、ブルガリアとポーランドはGDPの20%相当をユーロ圏に輸出している。対照的にロシアのユーロ圏向け輸出はGDP比10%未満で、トルコの場合は5%強だ。

 そのため、先週になってようやくコルナが評判を失ったという事実は、かなり遅まきの反応だと見なされた。「これほど時間がかかったことに驚いている」とUBSのバーヌ・バウェジャ氏は言う。

近隣諸国に振り回されたコルナ

 チェコの通貨はここ数週間、近隣諸国の中央銀行が取った行動のせいで劇的な形勢変化に見舞われた。この1年の大半を通じ、コルナは東欧地域の「キャリートレード」通貨として使われてきた。投資家が相対的に低利のコルナで資金を借り入れ、フォリントなどの高利回り通貨に投資してきたのだ。リスク回避傾向が強まると、トレーダーはポジションを解消し、コルナ高を招いた。

説明: ハンガリーの中央銀行はフォリント安の進行を懸念している(11月15日、ブダペスト)=ロイター
ハンガリーの中央銀行はフォリント安の進行を懸念している(11月15日、ブダペスト)=ロイター

 だが、ポーランド中央銀行の行動(先月、自国通貨防衛のために市場に介入した)はキャリートレードの魅力を大きく減退させた。

 11月15日にはハンガリーの中央銀行もフォリント安の進行に不満を示した。多くのアナリストは、近い将来かなり大幅な利上げが行われると予想している。ソシエテ・ジェネラルのブノワ・アン氏は、利上げによってハンガリーからの資金流出の流れを食い止めようとしたら、ハンガリー中銀は金利を2~3%引き上げる必要があると見ている。

 対照的にチェコは、輸出が自国にとって重要なこともあって、通貨安を継続すると見られている。その結果、コルナはデフェンシブな通貨と見なされなくなった。「コルナは新興国の円だったが、売買の特徴が様変わりした」とアン氏は言う。

東欧通貨の空売りが人気に

 実際、ユーロに対する東欧通貨の空売りが新たに人気の為替取引となりつつあり、ユーロ自体を下支えしている。野村のジェフリー・ケンドリック氏は「これが次のゲームだと話すトレーダーを見かけるようになった。欧州の景気減速というストーリーだ」と言う。

 フォリントとズロチの見通しも大して良くない。格付け会社フィッチ・レーティングスは先週、ハンガリーの格付け見通しをネガティブに引き下げた。後に急騰したスイスフランなどの外貨建てで組まれた住宅ローンについて、住宅所有者が市場金利を下回るレートで返済することを認める法律が施行された結果、ハンガリーの銀行は特に苦しんでいる。この措置は銀行の利益を損なうと見られている。また、15日には格付け会社ムーディーズがポーランドの銀行の格付け見通しをネガティブに引き下げた。

 だが、UBSのアナリストらは、ほかの東欧通貨が大幅に下げたこともあり、今後1年間で欧州に対するネガティブな見方を表現する最善の方法の1つは、米ドルに対するコルナの空売りだと考えている。

 こうした通貨の行く手には厳しい1年が待ち受けている。「東欧諸国の通貨はアンダーパフォームが続くだろう」とバウェジャ氏。「アウトパフォームする理由がない」

By Alice Ross

(c) The Financial Times Limited 2011. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.

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貧しい国に行き渡らないEUの成長基金

2011.10.20(木)

(2011年10月19日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

欧州委員会の内部統計によると、経済成長の後押しを目的とした欧州連合(EU)の資金が域内の最貧国に行き渡らず、これらの国々が多額の補助金を失う恐れがあるという。

 EU加盟国の中で2番目に貧しいルーマニアは、2007~13年の予算で同国に割り当てられたEU基金190億ユーロ(260億ドル)のうち、たった3.7%しか消化していない。本紙(英フィナンシャル・タイムズ)が入手した追跡調査統計によると、域内で最も貧しいブルガリアは、67億ユーロの割当金の9.1%しか使っていない。

割当金の消化が進まず、多額の補助金を失う恐れ

 7年間で総額3470億ユーロに上る構造基金は、インフラ計画や雇用対策といったプロジェクトへの投資で景気浮揚を図るEUの戦略の中核を成している。基金の大半は相対的に貧しい国に振り向けられる。

 EUの規則では、2015年までに使われなかった資金はEUの予算に戻されることになっており、特にブルガリアとルーマニアは欧州の補助金を受け取る権利を失う恐れがある。

 EUの資金を失いかねないと見られている国の中には、イタリアも含まれる。同国は280億ユーロの割当金の10.6%しか使っていない。昨年は、英国人歌手エルトン・ジョンのコンサート開催に投じた72万ユーロの構造基金の返還を余儀なくされた。

 EU加盟国27カ国全体では、710億ユーロ使った。これは7年間の予算の20.6%に相当する額で、消化率は10%未満だった1年前より上昇している。この数字には、基金を管理する欧州委員会が、準備中のプロジェクトにまだ資金を投じていない国に与えた前払い金は含まれていない。

 EUが低迷する欧州経済のてこ入れに使える資金を眠らせているという批判に反撃を試みる中、こうした前払い金は急増し、300億ユーロに達している。ギリシャをはじめ、救済を受けた国々に対して、追加で29億ユーロの支払いを行うことも検討されている。

 欧州委は、大半の支出は2007~13年の予算期間の終盤に生じると話している。対象となるプロジェクトは加盟各国の当局が資金の一部を負担しなければならず、これらのプロジェクトが還付金を申請した時に初めて欧州委が支払いを実行するからだ。

適切なプロジェクトが不足するブルガリアとルーマニアに懸念

 だが、当局者らは、EU補助金を使うのに相応しいプロジェクトの不足が原因となっているブルガリアとルーマニアの資金消化率の低さは特に懸念されると話している。ブルガリア政府は昨年、構造基金の消化を監督する閣僚を任命。ルーマニア政府もこれに倣い、担当閣僚を任命した。

 ブルガリアのニコライ ・ムラデノフ外相は本紙へのコメントで、出だしは資金があまり消化されなかったことを認めつつ、状況は改善しつつあるとし、「協調の強化、大型プロジェクトへの集中、監督体制の改善が実を結び始めている」と述べた。2015年には、95%の消化率も現実的だという。

 ルーマニアの欧州問題担当閣僚は、消化率が低い理由は、行政の処理能力が不足し、申請者が厳しいEUのルールを満たすのに苦労し、国内でのプロジェクトへの資金拠出が不足しているためだと言う。

 「ルーマニアは(資金が期限切れを迎える2015年までに)消化率を極力高めるために最善を尽くす。とはいえ、確たるレベルに言及するのは早計だ」

By Stanley Pignal in Brussels
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[FT]欧州連合は旧ソ連諸国をロシアに奪われるのか

2011/10/7

(2011年10月7日付英フィナンシャル・タイムズ紙)

 旧ソ連諸国の心をつかむ新たな戦いで、西側諸国が劣勢に立たされている。

 ロシアのプーチン首相は今週、次期大統領選への出馬表明以来初めて、本格的な外交方針を打ち出した。独裁的なベラルーシ、カザフスタン政府とともに創設を目指す「ユーラシア連合」に旧ソ連諸国の加盟を呼びかける内容だ。

 関税同盟からスタートして、来年には1億6500万人を擁する単一経済圏に拡大される予定で、最終的には単一通貨の導入も話し合われるという。プーチン氏は「ソ連」の再来を否定するが、共産主義イデオロギーの有無を除けば類似点はある。構想が発表された全国紙「イズベスチヤ」はかつてソ連政府の公式見解を発表する新聞だった。

 一方で、欧州連合(EU)による旧ソ連諸国の統合の努力にはふらつきが目立つ。偶然なのか、プーチン構想の打ち上げはEUがワルシャワに旧ソ連6カ国を招き「東方パートナーシップ」の再活性化をうたった首脳会議のわずか数日後だった。肝心の首脳会議は盛り上がりに欠けた。

 独裁者のルカシェンコ大統領の入国はいずれにせよ不可能だったものの、ベラルーシは会議をボイコットした。ウクライナ代表はティモシェンコ元首相の汚職裁判の批判に気を悪くしてか、終了を待たずに帰国した。

 最大の親欧州国、グルジアとモルドバは基準を満たせばEU加盟を約束するとの言質をついに得られなかった。

 旧東欧・ソ連圏諸国はオバマ米政権が当時のグルジアのバラ革命、ウクライナのオレンジ革命の支援の立場から大きく後退したと実感している。

 皮肉なのは西側諸国が旧ソ連諸国を「失いつつある」一方、20年前の「ベルリンの壁」崩壊に匹敵する「アラブの春」で生まれつつある民主主義は支援していることだ。

 ユーロ圏の債務危機のまっただ中で、EUが貧しい国の迎え入れに不安を抱く気持ちはよく分かる。多くの国は2007年のルーマニア、ブルガリアの加盟も誤りだったと感じている。

 しかしアルメニア、アゼルバイジャンを含め、「東方パートナーシップ」のすべての加盟国をいずれはEUに迎え入れると約束しなければ、それはEU側からの「加盟お断り」の丁重な意思表示となってしまう。

 「パートナーシップ」は貿易とヒトの往来の自由化をうたってはいるが、交渉は進まず、創設から2年半、政府も国民も成果をほとんど実感できていない。

 プーチン氏を熟知する者は「ユーラシア連合」こそ氏の念願のプロジェクトで、大統領3期目の主要政策だと指摘する。

 加盟すればロシア政府への一定程度の従属は免れない上、多くの旧ソ連諸国を牛耳ってきた少数支配者が民主主義を気にせずに巨大な経済圏の恩恵に浴することになる。ロシアの安い天然ガスなどは重工業の盛んなウクライナなどには特に魅力的だ。

 特にロシアと中欧に挟まれた同国は試金石の意味を持つ。「パートナーシップ」加盟国中、EUと政治・通商面で合意できる可能性が最も高い上、プーチン氏の「ユーラシア連合」構想への追従も拒絶した。

 しかし、ティモシェンコ元首相の裁判は西側からはヤヌコビッチ大統領の政敵排除と民主主義後退の象徴と見なされている。

 ウクライナを、基準に満たない国として拒絶するか、改革後押しのために受け入れるか。EUのジレンマはそこにある。

 バルト3国を除く旧ソ連諸国の1国でも市場経済と民主主義がうまく機能すれば他国に向けたまたとない好例となると、西側世界は長く信じてきたはずだ。

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<新興国EYE>ブルガリア4-6月期GDP伸び率、1.9%に鈍化

2011/08/15

 NSI(ブルガリア国家統計局)が12日に発表した第2四半期(4-6月)の実質GDP(国内総生産)伸び率は、主に輸出の低迷で前年同期比1.9%増と、前四半期(1-3月期)の同3.4%増から伸びが鈍化した。また、前期比は0.1%の微増と、前期の同0.6%増から落ち込んだ。輸出は前期比0.5%減と、第1四半期の同4.6%増から減少に転じている。

 ブルガリア経済は昨年、リセッション(景気後退)を脱した。しかし、10年第4四半期(10-12月)にGDPが前年同期比3.8%増となったあと、11年第1四半期は強い輸出と国内の製造業とサービス業の成長はあったものの、同3.4%増に鈍化。今回の第2四半期ではさらに伸びが鈍化しており、景気回復力はまだ弱く、不安定な動きが続いている。

 最近では、EBRD(欧州復興開発銀行)が1日に、ユーロ圏債務危機の拡大で景気悪化リスクが上昇したとして、ブルガリアの11年の経済成長率見通しを前回5月予想時の3.1%から2.3%に下方修正。また、IMF(国際通貨基金)も今年初め、ブルガリアの今年の成長率見通しを3%としたが、いずれもブルガリア政府が今年度当初予算で想定した3.6%を下回っている。

提供:モーニングスター社

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<EU>首脳会議でクロアチアの加盟承認 28カ国体制へ

6月24日(金)

 【ブリュッセル斎藤義彦】欧州連合(EU)首脳会議は24日、2013年7月をめどにしたクロアチアの加盟を承認した。加盟を規定した条約を各国が批准し、EUは28カ国体制に向け動き出す。

 首脳会議はまた、旅券審査などEU主要国間の国境管理を廃止したシェンゲン協定について、「例外的な特定の場合に限り」国境管理の一時的な復活を認めた。域内の国境管理廃止を欧州統合の成果とみる欧州委員会などが強く反発し、国境管理復活は「最後の手段」と位置付けられた。
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クロアチア:EU加盟へ 旧ユーゴ内戦国で初--13年夏めど

2011年6月11日

 【ブリュッセル斎藤義彦】欧州連合(EU、加盟27カ国)の内閣にあたる欧州委員会は10日、東欧のクロアチアとの加盟交渉終了を宣言した。今月23日からの首脳会議で加盟を決定、加盟を明記した新条約を各国が批准すれば、クロアチアは13年7月をめどにEU入りし、EUは28カ国体制になる見通し。旧ユーゴスラビア諸国で内戦を経た国からの加盟は初めて。加盟が実現すれば07年以来6年ぶり。EUは再び拡大へとかじを切った。

 欧州委のフューレ委員(拡大担当)が10日、「すべての前提条件が満たされた。加盟国もこの評価を共有するだろう」と述べた。同委員によると、欧州委が改革状況をチェックしていくという。

 クロアチアは05年から交渉を開始、終了は年末以降になるとみられていた。しかしセルビア人武装勢力指導者、ムラディッチ被告が先月26日に逮捕され、旧ユーゴ諸国加盟の最大の障害が除かれ終了判断が早まった。

 クロアチアのあるバルカン半島は、第一次世界大戦や旧ユーゴ内戦を引き起こしたことから「火薬庫」とも言われる。欧州委の宣言には、今回の統合をてこに半島を“無害化”する狙いがある。EUはセルビアとも早期に加盟交渉を開始し、旧ユーゴ全体の加盟を実現してバルカン半島の安定をはかる意向だ。旧ユーゴ諸国では04年にスロベニアが加盟している。

 バローゾ欧州委員長は10日の声明で、今回の交渉終了で「南東欧全体の改革が進み、欧州が安定に向かう契機になる」と述べた。

 ただ、07年加盟のブルガリアやルーマニアは組織犯罪・汚職対策が不十分でこの分野の改革はEUの監視下に置かれている。両国の加盟は「早すぎた」との声があり、クロアチアの加盟条約批准でも曲折が予想される。

 EUの機構を改革するリスボン条約(09年発効)の批准が難航、EU懐疑派も各国の議会で伸長した。共通通貨ユーロの危機も続き、EUの「拡大疲れ」が指摘される。今回の宣言にはこの流れを変える狙いもある。

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 ■ことば

 ◇クロアチア

 バルカン半島の多民族国家・旧ユーゴスラビア連邦を構成した六つの共和国の一つで、91年に独立した。その際、国内のセルビア人勢力が反発し、一時は内戦状態となった。現在の人口は約440万人で、南スラブ系のクロアチア人が9割を占め、セルビア人も少数が暮らす。主要産業は農林水産業で、首都ザグレブを中心に工業も発達。南部ドブロブニクの旧市街は世界文化遺産に登録され、人気観光地となっている。

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 ◆EU拡大の歴史◆

1952年 7月 欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)創設。旧西独、仏、伊、ベルギー、オランダ、ルクセンブルクが原加盟国

  58年 1月 欧州経済共同体(EEC)と欧州原子力共同体(EURATOM)の2共同体を創設

  67年 7月 EECとECSC、EURATOMの3共同体の理事会などを統合する条約が発効。欧州共同体(EC)と総称され、単一のEC委員会が発足

  73年 1月 英国、アイルランド、デンマークが加盟

  79年 6月 加盟9カ国が第1回欧州議会選挙を実施

  81年 1月 ギリシャが10番目の加盟国に

  86年 1月 スペインとポルトガルが加盟

  93年11月 マーストリヒト条約発効により、欧州連合(EU)発足

  95年 1月 オーストリア、フィンランド、スウェーデンが加盟

  99年 1月 ユーロへの通貨統合

2002年 1月 ユーロ紙幣と硬貨が英国など3カ国を除く12カ国で流通開始

      7月 ECSC条約が失効し、解消される

     12月 04年の10カ国加盟を正式決定

  04年 5月 旧東欧圏など10カ国が加わり、25カ国に

  07年 1月 ルーマニア、ブルガリアが加盟し、27カ国に

  13年 7月 クロアチア加盟へ



6/10 ルーマニア移民が英国から本国に送金する金額は1日50万ポンド!
2011年 6月 10日(金曜日) 「オンライン・ジャーニー」

およそ6万人が英国に暮らすといわれるルーマニア人が、1日につきおよそ50万ポンドを本国に送金していることが、公式統計で明らかになった。「デイリー・メール」紙が伝えた。
ルーマニアの中央銀行「Romanian Central Bank」が発表した統計によると、昨年1月から3月までの3ヵ月間で、計4,100万ポンドが英国からルーマニアに送金されたという。今年もこのペースが続くと、送金額は1年間で1億6,000万ポンド以上となる。
また、友人や親戚間など略式の取引や非公式の送金は、この資料には含まれておらず、実際の合計は、約30%上乗せした額になる可能性が高いという。
ルーマニアの平均収入は西ヨーロッパ諸国の28%程であり、生産人口の5分の1は国外で暮らしている。経済学者らは、ルーマニアが英国の生活水準に追いつくには、あと20年ほどかかると予測している。
ルーマニアは、2007年に欧州連合「EU」に加盟したものの、同国人が欧州内を自由に行き来することには制限がなされていた。しかし、この取り決めが2013年に解除される予定のため、英国は新たな移民労働者の流入を懸念している。
昨年欧州連合「EU」は、犯罪組織の流入を恐れて、EU間をパスポートなしで出入国できる「シェンゲン協定」への、ルーマニアとブルガリアの参加を先送りすることに決めている。
ちなみに同国のトライアン・バセスク大統領は、国外に暮らし、その国から福祉手当を得ている同国人に感謝を表しながら「肉体労働をするよりも、失業者でいるほうが手当てを受けられるので、快適に暮らせる」と放言したことから、批判を浴びている。

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ブルガリア・ルーマニアの参加先送り EU、自由出入国の協定

2011/6/10

 【ブリュッセル=瀬能繁】欧州連合(EU)加盟27カ国は9日の司法・内相理事会で、域内をパスポートなしで自由に出入国できる「シェンゲン協定」へのブルガリアとルーマニア両国の参加を先送りすることを決めた。汚職や組織犯罪への対策を見極める必要があるとして、参加の是非を9月に改めて判断する。

 両国は2007年にEUに加盟し、遅くとも今年6月までの協定参加承認を求めてきた。だが、オランダのレールス移民・難民保護相は「シェンゲン協定は相互の信頼に基づく。参加は時期尚早」と述べた。独仏なども現時点の参加承認に難色を示したもようだ。

 シェンゲン協定は域内のヒトやモノの自由移動を示す、EUの象徴の一つ。だが、チュニジア移民の大量流入を背景にイタリアとフランスが協定見直しを要求。「域内国境管理の撤廃」という理念が後退しつつある。ブルガリアなどの参加先送りも新たな影を落としそうだ。

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クロアチア13年にEU加盟、欧州委提案へ 28カ国体制に

2011/6/8

 【ブリュッセル=瀬能繁】欧州連合(EU)の欧州委員会はバルカン半島のクロアチアの2013年のEU加盟を提案する方針を固めた。EU首脳会議が承認すれば、EU加盟国が現在の27カ国体制から28カ国体制に拡大することが確定する。セルビアも早ければ年内に加盟候補国として認定される見通しで、バルカン諸国を中心にEUの再拡大が動き出す。

 欧州委は10日に正式発表する。バローゾ欧州委員長は7日の仏ストラスブールでの記者会見で「クロアチアのEU加盟に向けた長い旅の決定的な瞬間が近づいている。EUにとても良いニュースとなる」と述べた。

 クロアチアは旧ユーゴスラビアの一つで、旧ユーゴのEU加盟はスロベニアに続き2カ国目。05年からEUと加盟交渉を開始、6日時点で加盟に必要な35分野のうち31分野の交渉が終了した。残るは競争政策、司法など4分野だけで、欧州委はEU加盟を提案する環境が整ったと判断した。

 加盟時期は「13年7月」とする方向で調整している。遅くとも11年末までのEU首脳会議でクロアチアの加盟を承認、各国は加盟条約の批准作業に入る見通しだ。EUは07年にブルガリアとルーマニアを加盟国として迎え入れ、現在の27カ国体制となった。

 一方、旧ユーゴのうちセルビアについては、早ければ11年中に加盟候補国の地位を与え、12年から加盟交渉に入るとの見方が強まっている。セルビア当局がボスニア・ヘルツェゴビナ内戦の大物戦犯であるムラディッチ被告を拘束した点をEU加盟国はおおむね評価している。

 一方で、セルビアがEUに加盟するにはセルビアからの一方的独立を宣言したコソボとの和解が不可欠で、EUは双方の調停も本格化させる。他に旧ユーゴではマケドニア、モンテネグロが加盟候補国の地位を得たものの、加盟交渉はまだ始まっていない。

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欧州の若年層、53%が他国での就労希望 EU調査

2011/5/28NIKKEI NET

 【ブリュッセル=瀬能繁】欧州の若年層の53%が母国とは違う欧州諸国での就労を希望――。欧州連合(EU)の欧州委員会が今年1~2月、域内の若年(15~35歳)5万人超を対象に実施したアンケート調査でこんな結果が分かった。

 比較的短期の就労を希望している人が28%、長期就労希望者が25%。国別ではブルガリア、ルーマニア、フィンランドでは70%超の若年が海外での就労を希望した。逆にイタリアは38%と加盟国で最低水準だった。

 ただ、実際に海外での留学や職業訓練を経験した人は全体の14%にとどまった。長期間、海外留学などをした人の65%が「個人の預貯金」を活用したと回答。ワシリウ欧州委員(教育担当)は海外留学や就職の促進に向け「資金面の対策が重要」としている。

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ブルガリアとマルタ 移民問題の共同解決に言及

2011-05-13

 ブルガリアのパルバノフ大統領は12日マルタのアベラ大統領と会見し、北アフリカの移民問題の解決に共に取り組むよう欧州連合に呼び掛けました。

 両大統領は「北アフリカで移民問題に対応する国際機関を設置し、国際社会がこれを支援すべきだ」とし、パルバノフ大統領は「北アフリカ移民問題の解決を巡って、EU諸国は共同で行動し、公平に役割を分担するべきだ」との考えを示しました。(ジョウ&中原)

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リビアからポルトガル経済まで問題山積 EUの祝ヨーロッパ・デー
5.05.2011 The Voice of Russia

 5月5日は欧州評議会の定めるヨーロッパー・デー。シェンゲン協定廃止の恐れ、ギリシャ、アイルランド、ポルトガルの厳しい経済状態、「カダフィ・ハンティング」と言われるリビア空爆への参加をめぐる意見の相違など、山積する問題の中で欧州連合(EU)はこの祝日を迎えた。

 EU内部は憲法の不在など、否定的なプロセスを緩慢に引きずり続けている。EU諸国は土台となる規範でさえ未だに決定できないまま存在しつづけており、ルクセンブルグ条約が憲法を代用している状態だ。また時にEUを他の鋭い痛みが襲う。加盟国の中には世界危機の打撃から未だに立ち直れない国が存在するためである。ギリシャ、アイルランドは近隣諸国からすでに巨額の借款をしているが、ポルトガルの経済状態はさらに深刻を極め、4日には国際通貨基金(IMF)は780億ユーロの融資を行うことでEU本部と同意に達した。ポルトガルでは前政権が崩壊し、現在は暫定政権がたてられているが、政権崩壊を導いたのは、前政権が厳しい経済体制を敷こうとしたのに対し、議会がこれに同意しなかったためである。

 こうした、決してたやすい状況にはないEUにさらに打撃となる事態がおきた。それは主要加盟国らが、リビアのカダフィ政権を打倒するため軍事行動を起こすことを決めたからだ。このことによって欧州は、政治的にも財政的にもさらなる負担を負うことになった。この戦争は副作用として、戦争そのものよりも大きな問題を起こした。中東、北アフリカからの避難民が欧州に流れ込み、これがEU諸国内での軋轢を生んだ結果、鉄道交通の停止からシェンゲン協定の見直しにまで事は発展してしまった。欧州委員会は4日、イタリアをはじめとするEU諸国に押し寄せる不法難民の波をいかに食い止めるかについて討議を行っている。

 確かに危機的状況は深まっている。だが、EUの危機について語るには時期尚早だとする声も聞かれる。モスクワ国際関係大学比較政治学部の専門家、エレーナ・ポノマレヴァ氏は「ロシアの声」からのインタビューに答え、次のように語っている。

「伊、仏をはじめとする政治家がシェンゲン協定の制限について声明を表すのを聞くと、EUの将来を憂慮したくもなるが、だからといってEUの危機、崩壊を口にするのはまだ早い。EU内部には非常に複雑に絡み合った経済関係が浸透している。リビアの事態で明らかとなったように、その関係は文字通り血が流れるまで緊密なものなのだ」

 今のところEUは若い力がみなぎり、前途洋洋なところを見せようと必死だ。欧州議会も最近、ブルガリア、ルーマニアの加盟推薦を承認したばかり。加盟の最終決定は6月にとられるが、これは5月5日のヨーロッパー・デーにむけたプレゼントだったといえなくもない。東欧がEU加盟を目指す間は西側も組織のマイナス点を克服しようと努力するわけである。

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ユーロ圏財政赤字は11・12年は縮小、債務は拡大=欧州

2010年 11月 29日ロイター
 
 [ブリュッセル 29日 ロイター] 欧州委員会が29日公表した見通しによると、ユーロ圏の総財政赤字は2011・12年と縮小するが、債務総額は増加するとみられている。なかでもベルギーとアイルランドは国内総生産(GDP)を上回る債務になるとしている。

 ユーロ圏16カ国の財政赤字は、GDP比で今年6.3%、来年は4.6%、2012年は3.9%に低下する見通し。

 政府債務はGDP比で今年は84.1%、来年は86.5%、2012年は87.8%に拡大すると予測している。

 EU加盟27カ国のうち、今年財政基準のGDP比3%を満たすのはエストニア、ルクセンブルク、スウェーデンだけで、11年にはドイツ、フィンランド、ブルガリアが3%以下に収める。2012年にはオランダも達成する見通し。

 アイルランドは今年は32.3%、来年は10.3%、12年は9.1%。ポルトガルは今年は7.3%、来年は4.9%となるが、政策変更がないと仮定すると12年には5.1%に拡大すると見込んでいる。

 スペインは、今年9.3%、来年6.4%、12年は5.5%となる。

 ベルギー債務のGDP比率は、今年98.6%、来年は100.5%、12年は102.1%と見込んでいる。アイルランドは今年97.4%、来年107%、12年は114.3%に膨らむ見通し。

 GDP比の債務が最も大きいのはギリシャで、今年は140.2%、来年は150.2%、12年は156%と見込んでいる。

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EU加盟27か国の人口、5億人の大台突破

 【ブリュッセル支局】欧州連合(EU)統計局は27日、EU加盟27か国の人口が今年1月1日時点で、5億106万人と1年前に比べて136万人増え、5億人の大台を突破したと発表した。

 人口は、英国、フランス、イタリアなど19か国で増加。ドイツやブルガリアなど7か国で減少し、エストニアは横ばいだった。

 増加分の内訳は、出生数から死亡数を差し引いた自然増が51万人、移民の流入に伴う増加は85万人だった。

 出生数は全体で535万人。フランス(82万人)や英国(79万人)の健闘が目立った。移民流入はイタリア(31万人)、英国(18万人)の順に多かった。

2010年7月28日  読売新聞)

ブルガリアが年内のER―2参加申請を断念、隠れ財政赤字発覚で=首相

2010年 04月 10日ロイター
 

 [ソフィア 9日 ロイター] ブルガリアのボリソフ首相は9日、今年中に計画していた欧州単一通貨ユーロ導入の前段階となる為替相場メカニズム(ERM―2)への参加申請を断念したことを明らかにした。これまで明らかになっていなかった財政赤字が発覚したためとしている。

 ボリソフ首相は記者会見で「ブルガリアはERM―2の参加申請を正式に断念した」と述べた。参加申請を再び目指す時期にについては言及しなかった。

 同首相は「このような落とし穴に気がつかなかった。ブルガリアがどの程度ユーロ導入に向けた準備ができているか、結果的に欧州連合(EU)加盟国に対しうそをついたことになる」と述べた。

 

 2009年7月に就任した同首相によると、前社会主義政権時代に発注された調達契約で確認のとれないものが多く発見された。これにより、09年の財政赤字の国内総生産(GDP)に対する比率は3.7%に押し上げられたとしている。ブルガリアはEUの規律に基づき、同年の比率は1.9%と報告していた。EUの安定・成長協定は同比率の上限を3%と定めている。

 ただブルガリアの公的債務は対GDP比16%とEU加盟国のなかでは低く、長年にわたり財政黒字を維持してきたため国の財政状態も比較的安定している。このため、アナリストはブルガリアがギリシャのような財政危機に陥る可能性は低いとみている。

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欧州の物価高トップはデンマーク ブルガリアが最低

2009/08/09NIKKEI NET

 【ブリュッセル=瀬能繁】欧州各国の中で2008年の物価水準はデンマークが最も高く、ブルガリアが最も低い――。欧州連合(EU)統計局がまとめた調査によると、EU加盟27カ国の物価水準の平均を100とすると、デンマークが147でトップになった。2位はノルウェーで北欧諸国が上位を占めた。ブルガリアは最低の51だった。

 加盟国の経済力の差も大きいとはいえ、品目別にみると衣類や家電では英国が物価水準が最も低く、ブルガリアをも下回る。金融危機が発生する前の英国では住宅バブルで資産価格が上昇していたが、一般物価は意外な低さだった。


ユーロ導入へようやく一歩 ブルガリア、ERM2参加申請

2009/8/5Buisiness i.

ユーロ導入のためのERM2参加を控え、その準備を進めるブルガリア中央銀行=7月2日、ソフィア(ブルームバーグ)
ユーロ導入のためのERM2参加を控え、その準備を進めるブルガリア中央銀行=7月2日、ソフィア(ブルームバーグ)

 EU(欧州連合)加盟国ブルガリアのジャンコフ財務相は7月30日、同国が11月にユーロ導入の前段階となる欧州為替相場メカニズム(ERM2)への参加を申請することを明らかにした。

 同財務相はインタビューに応じ「11月のERM2参加に向け、必要書類の作成をすでに開始した」とし「金融危機で欧州経済の先行きは非常に不透明だ。わが国の申請には影響しないだろうが、審査に時間がかかる可能性はある」との考えを示した。

 ERM2に参加することで、EU最貧国のブルガリアはユーロ導入とECB(欧州中央銀行)による保護へ一歩近づくことになる。東欧でのリセッション(景気後退)で大打撃を受けた同国のほかラトビア、エストニア、リトアニアのバルト3国は通貨の切り下げ圧力にさらされた。

 ◆経済見通し下方修正

 ブルガリアの通貨レフはユーロを基軸通貨とする固定相場制を採用しており1ユーロ=1.9558レフ(約136.79円)で取引されている。ERM2の期間は、対ユーロの中心レートが設定され変動幅は上下15%となるが、中銀は参加期間の2年間、レフとユーロとの関係を緊密にしたい意向だ。

 7月27日に発足したボリソフ内閣で財務相兼副首相に就任した元世界銀行チーフエコノミストのジャンコフ財務相は、就任後4日間でブルガリアの2009年の経済見通しを6.3%のマイナス成長に下方修正したほか、国家予算が前内閣の編成当時より健全性が悪化していることを指摘した。ボリソフ内閣は、可能な限り早期にユーロを導入することで、リセッションの深刻化に歯止めをかけ、生活水準の向上を目指すほか、経済を西欧諸国の水準に近づけることを公約している。

 ◆インフレ率3.7%に

 ブルガリアは07年にEUに加盟したが、インフレの加速と過去最悪の経常赤字が足を引っ張り、EU加盟直後に予定していたERM2への参加を見送らざるを得なかった。インフレ率は6月に3.7%と12カ月連続で低下。ジャンコフ財務相は、12月末には2.8%にまで下がるとみている。

 格付け会社フィッチ・レーティングスは4月のリポートで、世界金融危機で深刻な打撃を受けた東欧のEU加盟諸国にとり、ユーロ導入は難航する見通しだと指摘している。同社のユーロ導入時期予測では、ブルガリアとルーマニアが15年、チェコ、ハンガリー、ラトビアが14年、エストニア、リトアニアなどが13年となっている。(Elizabeth Konstantinova)

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禁煙法:EU要請で各国が整備へ 一部の国で反発も

2009年8月7日

 【ブリュッセル福島良典、カイロ和田浩明】欧州から中東にかけて「禁煙法」の波が押し寄せている。欧州連合(EU)の行政府・欧州委員会はこのほど、加盟国に対し職場やレストランなどを禁煙とする法律を整備するよう要請。トルコは先月、公共の場所を禁煙とする法律を施行し、抵抗した客がレストランの所有者を射殺する事件も起きた。治安が不安定なイラクでも6日、禁煙法が閣議決定され、「禁煙よりテロ防止が先だ」との反発も出ている。

 欧州委員会は禁煙法制定で「たばこの煙ゼロの欧州」を12年までに実現するよう呼び掛けた。煙害から市民を守る法律があるのは加盟27カ国中10カ国。欧州委は10年に法制化を予定しているブルガリアを除く残り16カ国に対し、レストランなど公共の場や職場、公共交通機関を禁煙にするよう求めている。

 ロイター通信によると、EU加盟を目指すトルコでは先月19日、レストランなどを含む公の場での室内禁煙を定めた法律を導入。先月末にはトルコ南東部で、喫煙を始めた客に注意したレストランの男性所有者(46)が怒った客に射殺された。

 一方、イラク政府は6日、公共の場所での喫煙や、たばこ広告を禁止する法案を閣議決定した。対象は官公庁や学校、医療施設、空港など。新聞やテレビなどでの広告も禁止で、違反すると罰金が科せられる。法案成立には9月に再開する連邦議会の承認が必要。

 世界保健機関(WHO)によると、イラクの喫煙率は日本より低いが、イラクを含むアラブ諸国では、カフェなどで水たばこを吸いながら友人らと会話を楽しむ風習があり、禁煙法案への反発も出ているようだ。


欧州議会選挙で中道右派政党が勝利

6月8日ロイター

 6月8日、投票が終了した欧州連合(EU)の欧州議会(定数736)選挙は、各国の中道右派政党で作るグループ、欧州人民民主党(EEP)が勝利し、議会第1勢力の座を維持した。7日撮影(2009年 ロイター/Francois Lenoir)
 [ブリュッセル 8日 ロイター] 7日に投票が終了した欧州連合(EU)の欧州議会(定数736)選挙は、各国の中道右派政党で作るグループ、欧州人民民主党(EEP)が勝利し、議会第1勢力の座を維持した。
 これまでの開票結果によると、ドイツ、フランス、ポーランド、イタリアで与党の中道右派政党が勝利。社会党勢力が苦戦した一方、緑の党は健闘した。
 投票率は43%と過去最低で、金融危機の影響が特に大きかった一部の国では与党が敗北した。
 暫定結果によると、EEPが最多得票を獲得、緑の党も議席を伸ばした。一方、欧州社会党は最も議席を失った。
 極右勢力は、英国など一部の国で議席を獲得。ただ、全体として少数政党は予想ほどは振るわなかった。
 今回の選挙結果によって、金融規制システムの改革などの法案の通過がスムーズになる可能性が高い。
 欧州委員会のバローゾ委員長は7日遅く、選挙結果について「EUの政策を支持し、日々の懸念に対するEUの政策対応を求める政党と候補者の明白な勝利だ」と述べた。
 委員長は、フランスなどで緑の党が議席を獲得したことを受けて、気候変動問題に対処することを約束した。
 中道右派は、フランス、ドイツ、イタリア、ポーランドなどで勝利。一方、英国、スペイン、チェコ、ラトビア、ハンガリー、アイスランド、ブルガリア、エストニア、ポルトガル、スウェーデン、ギリシャ、スロベニアでは与党が敗北した。
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国民投票 EU関係持続へ

2009/02/08

Image caption: 国民投票により、EUとの人の往来の自由は今後、半永久的に有効となる (Keystone)

2月8日に行われた国民投票では、欧州連合 ( EU ) との2国間協定の継続と2007年にEU加盟国となったルーマニアとブルガリアとスイス間の人の往来の自由化が59.6%の支持を得て承認された。

投票前には僅差で承認されるであろうとの予想だったが、投票終了から1時間もたたずに、EUとの関係を継続するというスイス政府の決定の承認が確実と発表され、国民の明確な意志が確認された。

段階的に自由化へ

スイスはEUには加盟せず、EUと2つの2国間協定を結び、市場や人の往来の自由化を進めている。第1協定により人の往来については、段階を経て自由化を進めることになった。まず2002年から、スイスとEU15カ国とキプロスおよびマ ルタとの自由化が行なわれ、2006年からはさらに8カ国が加わった。スイスは協定に7年間の暫定期間を設けたが、その後もEUとの関係を続けていくと政府と議会は決定した。しかし、これに対して国民党 ( SVP/UDC ) とスイス民主党 ( SD/DS ) が異議を申し立て、国民の審議を要求したため ( レファレンダム ) 、今回の国民投票となった。

 レファレンダムを起こした国民党などは、2007年にEUに新に加盟したルーマニアとブルガリアからスイスに大量の低賃金の労働者が流入してくると指摘し、雇用市場の悪化と社会福祉の質が低下すると主張した。一方、急進民主党 ( FDP/PRD ) 、キリスト教民主党 ( CVP/PDC ) 、社会民主党 ( SP/PS ) の政権党のほか経済界は、ルーマニア、ブルガリアからの人の往来を制限すれば、EUが一方的に協定を破棄する可能性を示唆し、潤沢な資金を投入し賛成キャンペーンを張った。

 2月6日に経済省経済管轄局 ( SECO ) が発表した1月の失業率も、3.3%と前月より9668人増加し、大手再保険会社のスイスリー ( Swiss Re ) が巨額の損失が見込まれるなどといったスイスの景気の冷え込みを体現するニュースが次々と発表される中、結果は僅差になるだろうと予測されていたが、明確にEUとの2国間協定を支持した。ルーマニアとブルガリアからの人の往来は今後7年間で段階的に自由化されることになる

不景気がEUを支持

 これまでスイスではEUとの関係について、スイス-EU協定の批准など5回にわたって国民投票にかけられたが、全て2国間協定を承認する結果となった。常にスイスの独自路線を主張してきた国民党のトニー・ブルンナー党首はドイツ語圏のラジオのインタビューに応じ
「賛成グループが巨大な資金を使ってキャンペーンを張ったことから、投票前から、4割の反対があればわれわれは満足だと言っていた。結果は認めるが、賛成者の間違った理論による嘘とプロパガンダは許せない」
と語った。5回続けて国民投票で負けたものの、レファレンダムなどを起こすことで、国民に発言の場を設けることは必要であり、今後もスイス独自路線を主張し続けるという。

 一方ドリス・ロイタルト経済相は
「国民は成熟した決定をした。経済状況が不安な中、EUとの2国間協定が承認された。失業率の上昇もEUとの関係ではなく、経済の状況がそうさせたのだということを国民は理解した」
 と語った。また、スイス-EU2国間協定を支持したスイスの経済連合「エコノミースイス ( economiesuisse ) 」のゲロルト・ビューラー会長も
「不景気な今、2国間協定が承認されたことは意味がある。金融・経済危機に直面するスイスにおいて、EUとの関係を壊すといった試験的なことはできないと国民が判断したためだ。スイスとEUの関係は2国間協定以外にない」
 と語った。在スイスミヒャエル・ライタラーEU大使は
「 ( 明確な ) 結果に驚いている。スイス国民の理性がこうした結果をもたらした。EUにとっては、よい結果となった」
 と語った。

 2005年9月には、EU23カ国との人の往来の自由が国民投票で、投票率54%の中、56%の支持を得て認められた。今回はそれを上回る支持を得て、これまでのEUとの関係が承認されたことになる。

 国民投票のほかに、各州で市民投票も行われた。チューリヒ州では、スイスで経済活動をしていない富裕層を対象にし、実際の所得を対象にせず生活費を基に計算される「見積もり課税」の廃止が承認された。また、ジュネーブ州ではインターネットを通して行なわれるE-投票が全国に先駆けて承認された。グラウビュンデン州では、会議センターの拡張計画が認められ、世界経済フォーラム ( WEF ) 今後もダボスで開催されるための条件が揃った。

swissinfo、佐藤夕美 ( さとう ゆうみ )


国民投票 再び問われるEUとの関係

Image caption: 人の往来の自由は、スイスへ外国人が入ってくると同時に、スイスからも外国へ自由に行くことができるようになることだ (Keystone)

2月8日に行なわれる国民投票では、スイス-EU2国間協定の中の「人の往来の自由」の継続が問われる。特に、2007年にEU加盟国となったルーマニアとブルガリアの受け入れが論議の焦点になっている。

EUとの2国間協定の「東方拡大」は、スイスの最も重要な経済パートナーであるEU諸国との関係をより深め、安定させるものなのか。それとも、スイスの雇用市場が脅かされ、社会福祉制度は悪用されることになるのか。有権者の意見は大きく2つに分かれている。

EU拡大がもたらした「不安」と「希望」

 EUとの2国間第1協定により人の往来については、段階を経て自由化を進めることになった。まず2002年から、スイスとEU15カ国とキプロスおよびマルタとの自由化が行なわれ、2006年からはさらに8カ国が加わった。スイスは条約に7年間の暫定期間を設けたが、その後もEUとの関係を続けていくと政府と議会は決定した。しかし、これに対して国民党 ( SVP/UDC ) とスイス民主党 ( SD/DS ) が異議を申し立て、国民の審議を要求したため、今回の国民投票となった。

 政府は、EUとの2国間協定にある人の往来の自由と、2007年にEUに新に加盟したルーマニアとブルガリアを自由域内に加えることについてを1つの項目にし、議会の承認を得た。国民投票でも1つの項目として問われるが、政府はその理由をEUとの協定はEU全体との取り決めであり、一部だけしか試行しないことはありえないからだと主張している。
 
 国民投票で承認されれば、EUとの協定は期限を定めずに有効となり、ルーマニアとブルガリアとの人の往来が、ほかのEU諸国と同等に自由になるが、最初の7年間は入国人数が制限される。

拒否はEU関係の拒否

 特にルーマニアとブルガリアからの人の流入によるスイス社会への影響が、有権者の注目するところだ。

 政権党では国民党以外の全政党が賛成し、経済界、農業・労働組合も賛成を表明している。その主な理由は、これまでの人の往来の自由がもたらした成果が将来も生かされる。不足する専門家のスイスへの招聘 ( しょうへい ) が進んだことで、国内経済も伸びた。結果として労働市場も拡大し、国民生活のレベルも上がったという。この点について、スイス内政を調査する「理性のスイス ( Vernunft Schweiz ) 」は、自由化が始まった過去7年間のスイスの経済は上昇気流にあり、長期的な統計は出ないと指摘する。

 一方、人の往来の自由が国民に否認されると、交通、農業、研究など7項目ある2国間協定そのものをEUが、6カ月で破棄する可能性があると不安を抱く意見もある。半年以内に新しい協定を結ぶことはきわめて困難で、スイスの経済に大きな悪影響を与えるというのだ。

 国民党に代表される反対意見は、まず2つの事柄を1つにまとめて国民に問うのは民主主義的ではないと批判する。ルーマニアとブルガリアにまで自由地域を広げなければ、2国間協定が破棄されるというのは「脅し」だという主張で、国民がこれを拒否した場合でも、EUは協定を破棄しないだろうと見込んでいる。

 さらに反対意見は、ルーマニアとブルガリアから安い労働力が大量に流入し、スイスの労働賃金が低下すると主張している。昨年末から国民党は、数羽のカラスがスイスを狙っているかのように取り囲んでいるポスターを全国に貼り、キャンペーンを繰り広げている。このポスターはルーマニアのマスコミに人種差別的だと非難され、在ブカレストのスイス大使に対しルーマニア政府は公式に謝罪を求めるという事態にまで至った。

swissinfo、佐藤夕美 ( さとう ゆうみ )


中東欧諸国のユーロ導入は困難な道のり=欧州委員会

2009年 01月 20日

 [ブリュッセル 19日 ロイター] 欧州連合(EU)欧州委員会は19日、中東欧諸国の経済と財政赤字に関する見通しを発表し、世界経済の悪化は深刻化する見込みであるものの、EUに新たに加盟した中東欧諸国のユーロ導入の努力を妨げはしないとの見解を示した。

 欧州委員会は、これら新加盟国の経済成長率見通しを大幅に下方修正するとともに、財政赤字の一段の増加を予想。ユーロ導入の基準を満たすことがこれまで考えられていたよりも困難であることを示唆した。

 ただ、ポーランド、チェコ、ブルガリア、ルーマニアについては、ユーロ圏に打撃を与えているリセッション(景気後退)を回避できる見込みで、一部の国は、ユーロ圏に加盟するため義務付けられている、財政赤字を対国内総生産(GDP)比3%以下にどとめることが可能との見通しを示した。

 欧州委員会は、ポーランドのGDP伸び率について、2009年を2.0%、2010年を2.4%に下方修正。昨年11月時点の従来予想は09年が3.8%、10年が4.2%だった。

 財政赤字は08年の対GDP比2.5%から09年に同3.6%、10年に同3.5%に拡大すると予想した。

 ポーランドは2012年のユーロ導入を目指している。

 チェコの財政赤字に関する予想は、09年が対GDP比2.5%、10年が同2.3%で、両年とも3%を下回る見通し。

 チェコの経済成長率見通しは09年が1.7%、10年が2.3%に引き下げられた。従来予想は09年が3.6%、10年が3.9%だった。

 ユーロ圏の経済成長率は09年がマイナス1.9%、10年がプラス0.4%になる見通し。

 ハンガリーの財政赤字は、09年に対GDP比2.8%、10年に同3.0%になる見込み。

 同国経済成長率は09年にマイナス1.6%となった後、10年にプラス1.0%に回復すると予想されている。

 欧州委員会はまた、金融危機が、中東欧諸国の中でバルト3国に特に強い打撃を与えたとの見解を示した。

 ラトビアの成長率は09年にマイナス6.9%となる見通しで、同国経済はEU加盟27カ国の中で最も大幅に縮小すると予想されている。10年はマイナス2.4%の見込み。

 リトアニアのGDP伸び率は、09年がマイナス4.0%、10年がマイナス2.6%、エストニアの成長率は09年にマイナス4.7%となった後、10年にプラス1.2%に回復すると予想されている。

 ブルガリアとルーマニアの成長率はいずれも09年が1.8%、10年が2.5%となる見通し。ただ、ブルガリアについては財政黒字が予想されているが、ルーマニアは財政赤字が09年に対GDP7.5%、10年に7.9%になるとみられている。

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東西欧州、経済力になお格差 EU調査 加盟拡大の課題に

NIKKEI NET

 【ブリュッセル=下田敏】欧州連合(EU)の東西地域で、経済力になお大きな格差のあることがEU統計局の報告書で明らかになった。EU平均を100とした住民1人当たり国内総生産(GDP)は、英独仏が100を超えているのに対して、中・東欧やバルトなどは平均で65にとどまる。金融危機で新規加盟国は経済的な打撃が大きく、今後は経済格差がさらに広がる可能性がある。

 加盟27カ国で1人当たりGDPが最も大きいのはルクセンブルクの267。最低はブルガリアの37で、経済格差は7倍を超えた。2004年以降にEUに加わった新規加盟12カ国はいずれも平均には届かず、相対的に経済力のあるキプロスやスロベニアも90前後だった。

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EU:ブルガリアの財政支援中止 汚職摘発進まず

 【ブリュッセル福島良典】欧州連合(EU)の行政府・欧州委員会は25日、昨年1月にEUに加盟したブルガリアの政府・当局による汚職摘発が不十分だとして、同国に対するEUの財政支援のうち2億2000万ユーロ(約270億円)を取り消すことを決めた。

 加盟国に対する財政支援の取り消しは初めて。取り消されるのは、ブルガリアの加盟を円滑に進めるため、社会基盤整備や機構改革、法治制度の確立などにあてられる予定だったEU構造基金の支援金。

 ブルガリア政府に汚職摘発の強化を求めてきた欧州委員会は今年7月、総額110億ユーロ(07~13年)の同国向け財政支援のうち5億6000万ユーロを凍結した。このうち構造基金分は今月末に使用期限が切れるため、欧州委員会は「手遅れ」と判断、「EUと加盟国市民の資金的利益を守る」観点から使用権のはく奪を決めた。

 欧州委員会報道官によると、使われなかった2億2000万ユーロはEU予算に組み込まれる。

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11/21 EU内、国別「幸福実感度」調査の結果発表! 英国の順位は…

欧州連合「EU」加盟国内で、国民の幸福実感度を調査した結果が発表された。

これは、アイルランドのダブリンを拠点とする「EU」のエージェント「European Foundation for the Improvement of Living and Working Conditions(Eurofound)」が「EU」内に住む35,000人以上の18歳以上の成人(英国人1,500人を含む)を対象に、「現在の生活が幸せかどうか」を聞いたもの。

その結果、満点を10点とした場合、デンマークが8.5点を記録して、最も「幸福を感じている国民」となったほか、北欧諸国が上位を占めた。

一方、ブルガリアは、欧州平均の7.5点を大きく下回り、5.8点で最下位になった。

気になる英国人の結果だが、「陰気」「暗い」という評価を常に受けているに関わらず、7.8点(同点8位)と大健闘。スペイン(7.6点)やドイツ(7.5点)、イタリア(7.0点)などよりも上位につけ、実のところ英国人はかなり幸福を感じているということが明らかになった。高水準の教育、高い給料などが、生活に満足感を与え、達成感を感じさせるのではないかとみられている。

「Eurofound」トップ、ジョーマ・カーッピネン氏は、EU内でも低得点となった元社会主義国に関して「元社会主義国の幸福度は、属している社会階層によっても大きく異なる。低収入などの要素と大きく関係している」と分析した。一方、同エージェントのロバート・アンダーソン氏は、「幸福度は必ずしも収入と直接結びつくものではない。それよりも家族関係や健康状態など物質以外の事柄がより高い幸福度につながっているケースが少なくない」とした。

なお、幸福度調査の結果は以下の通り。

【上位5位】
デンマーク 8.5
スウェーデン 8.3
フィンランド 8.2
オランダ、ルクセンブルグ、アイルランド 8.0

【下位5位】
ブルガリア 5.8
ラトビア 6.8
ポルトガル 6.9
ハンガリー、イタリア、ルーマニア 7.0

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イタリア:東欧圏からの移民に厳しい治安対策を実施

宮田衣穂子2008/08/07
EUの拡大に伴って、イタリアに東欧圏からの移民が増えている。だが、イタリア自体が深刻なインフレに見舞われており、移民たちは就職はおろか定住場所の確保にさえ苦しんでいる。特にルーマニア人、ロマ系住民は昨年から今年にかけて、強盗事件や飲酒運転などを起こしたと報じられ、イタリア国内で厳しい視線を浴びている。移民排除を主張する団体を有力基盤とする現政権は、治安対策としてEUなどの反対を押し切って、彼らの居住地区の人口調査、指紋採取が行うことにした。

 EU(欧州連合)は、04年に旧共産国であった東欧諸国などの10ヵ国、さらに07年には、ルーマニア、ブルガリアの2ヵ国が加入し、その規模を広げています。経済の相互発展、相互協力を目的としたEUの拡大に伴い、EU加盟国間では、以前のような複雑な手続きを踏まなくとも、移民が比較的簡単に出来るようになってきています。 ここ1、2年、イタリアでも東欧諸国、ルーマニアなどから労働・定住を目的とした移民が増えています。

 中でも、古代ローマがダキア(現ルーマニア)を征服したあと、そこに植民地を作り、現地のダキア人とローマ人が混血してできた民族としてローマ人の末裔であることを誇りとするルーマニア(「ローマ人の国」という意味)は、使用する言葉もラテン語から派生したロマンス語系統で、イタリア語に近しい言語を解するためか、イタリアへの移住者が激増しているようです。

 が、母国の経済不安定から逃れるために移住はしてきたものの、移住先のイタリア自体がユーロ導入以来のインフレに喘いでおり、例え、職を見つける事は出来ても、雇い主側は税や保証の問題で、正式な雇用契約を結びたがらず、「ネーロ」と呼ばれる(闇金)日払い制度でのみの採用をするところも多く、家を借りるにも、正式な届出を出すにも、必要となる雇用書類を手に出来ない移民労働者も多くいます。このため、彼らの生活は食や住居の安定もままならない不安定なものである事も多いようです。

 また、ここ数年来、都市部やその近郊の家賃が、異常な値上がりをしているイタリアでは、1ヵ月の一般的な平均収入が1000~1200ユーロに対し、50平方m程度の2Kで同じ程度の家賃が相場、というのが普通になってきています。それに加え、移民たちの足元を見る、悪徳不動産や悪徳家主も多く、賃貸契約に必要不可欠な滞在許可書などの提示を求めない代わりに、きちんとした賃貸契約を結ばず、不当な値段を吹っ掛けたり、また突然の値上げを要求したりする人も多いと聞きます。

 このため、東欧、旧ユーゴ諸国、ルーマニアなどの移民たちの中には、公共の土地にテントを張って、住み着いてしまったり、あるいは、工場跡地や公共機関の建物に違法に住みついたまま、届けを出さない不法移民が増える一方、ということです。こうした不法移民は、正規な届出が出ていないので、その人数すら正確にはわかっていません。

 今年4月の総選挙で圧勝した現首相ベルルスコーニの片腕として、集票に貢献した「イタリア北部同盟」は以前から、イタリアの南北独立&移民排除をスローガンに掲げる政党として有名です。総選挙の前年から今年にかけて頻繁に起こったルーマニア人・ロマ民族の人の犯行と見られる強盗殺人事件や、無免許や飲酒運転の事故、特に一時は連日報道されるほど大問題になった07年10月、ローマ郊外で女性が仕事帰り(午後8時頃)にロマ人男性に強姦(ごうかん)され、瀕死の重態のまま遺棄され、昏睡状態で死亡に至った事件など移民問題とそれに付随した形の犯罪が国民の関心を集めたのですが、中道右派(特にイタリア北部同盟)は、その恐怖心に乗じたことが圧勝の要因になった、と言われています。

 ベルルスコーニ政権は先月来、この移民対策・治安対策の一つとして、EU会議や人権団体からは「特定民族からだけ採取するのは明らかな差別だ」と激しく批判された、ロマ人が集団で住むキャンプの人口調査とロマ住民の指紋(子供も含む)を採取することを決め、また、今月4日から、街の安全管理にミリタリーの導入を施行しました。

 それに伴い、イタリア北部同盟推薦のマッシモ・ジョルダーノ氏が知事を務める北イタリアのノヴァラ県(人口約10万人)では、「公共の公園や広場で3人以上の人が集まって集会をしてはいけない。これを破った者は500ユーロの罰金」という県の条例を、8月4日から施行させました。

 この条例決定の理由は、公園や広場での秩序を保ち、公共物破壊の防止を目的とするとの事ですが、「1920年代のムッソリーニのファシズムを回顧させる条例」としてイタリア内外から非難の声も上がっています。また、同じく8月4日から、このノヴァラ県では午後6時以降、駅構内でのアルコールの摂取の禁止(ビールも含みます)と、移民たちの集いの場所である集会場の閉館が義務づけられました。

ノヴァラ駅(ノヴァラ県庁のHPより)
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EU:ブルガリアの援助凍結「汚職取り組み不十分」

2008年7月24日

 【ブリュッセル福島良典】欧州連合(EU)の行政府・欧州委員会は23日、昨年1月にEUに加盟したブルガリア政府に対し、汚職摘発の取り組みが不十分だとして約5億ユーロ分の援助凍結を決めた。将来の加盟を目指すバルカン諸国などに対する警告の意味合いも込められている。

 欧州委は同日発表したブルガリアの現状に関する報告書の中で「汚職や組織犯罪の摘発が成果を上げていない」と批判。凍結されるのは道路整備、農村開発などに充てられる援助資金で、欧州委はブルガリアに対し今年11月までに事態を改善するよう求めている。

 AFP通信などによると、報告書の草案では、ブルガリアに対して欧州単一通貨ユーロ圏への加盟や、国境での旅券審査をなくして往来の自由化を図る「シェンゲン協定」への参加が遅れかねないと警告する表現を盛り込んでいた。だが、ブルガリア側の巻き返しの結果、表現が和らげられたという。

 昨年1月にブルガリアとルーマニアが加盟して27カ国に拡大したEUでは、加盟国間の経済格差が顕著になっている。EU統計局が先月に発表した統計によると、1人あたりの国内総生産(GDP)が最上位のルクセンブルクと最下位のブルガリアでは約7倍の開きがある


EU、たばこ大幅値上げへ  消費量10%削減目指す

 【ブリュッセル17日共同】欧州連合(EU)欧州委員会は16日、たばこの大幅値上げを含む税制改革案を加盟27カ国に提示した。

 加盟国の間で大きく異なる販売価格の格差を縮め、たばこによる健康被害を減らすのが狙い。今後5年間で段階的な値上げを行い消費量を10%削減するとしており、愛煙家は出費増か禁煙かの苦しい決断を迫られることになりそうだ。

 EU域内での標準的な紙巻きたばこ1箱(20本)の価格は、ユーロ換算で最も高い英国が約8・1ユーロ(約1350円)なのに対し、最も安いラトビアでは約1・2ユーロ(約200円)と、7倍近い開きがある。

 改革案は、たばこ税に関するEU共通の最低税率引き上げや、低価格国での値上げなどが柱。承認されれば、ポーランドで約47%、ブルガリアで約36%など、東欧の加盟国の値上げ幅が大きくなるほか、イタリア、スペインなどでも20%近い上昇になる。

2008/07/17   【共同通信】

06年労働コストの格差は20倍 (EU) 2008年6月6日

日本貿易振興機構(ジェトロ)

EU加盟27ヵ国の2006年の労働コストは、平均で1時間当たり20.35ユーロ(1ユーロ=約165円)だった。労働コストが1番高いスウェーデンと1番低いブルガリアを比較すると、その開きは約20倍となる。


食糧価格が過去1年で7.1%高、インフレ率の倍 EU

2008.06.03

牛乳価格の論争で、デモに訴えるドイツの酪農農家のメンバー

ブリュッセル――欧州連合(EU)の統計機関ユーロスタットは2日、域内での食糧価格が過去1年で7%以上値上がったと報告した。インフレ率のほぼ倍の水準。特に経済発展途上国が多い東欧で上昇率が高く、ふたけた台を記録した国もある。

今年4月までの1年間で、ブルガリアでは25.4%、ラトビア21.7%、エストニアは18.3%高くなったという。平均の上昇率は7.1%、加盟27カ国でのインフレ率は3.6%だった。

農産物の不作や世界的に進む食糧不足の影響が背景にある。製品別では、酪農製品の14.9%が最高の値上がり率。食用油が13.2%、パン・シリアルが10.7%上昇した。

逆に、食糧価格の値上げ幅が低かったのは、ポルトガル3.2%、オランダ5.4%、フランス5.5%などだった。

 [ブリュッセル 2日 ロイター] 欧州連合(EU)統計局の2日の発表によると、4月のユーロ圏の食料価格は乳製品などの高騰で前年同月比7.1%上昇し、総合インフレ率(3.6%)の約2倍の伸びとなった。

 ブルガリアで25.4%、ラトビアで21.7%、エストニアとリトアニアで18%程度の伸びとなった。

 品目別では牛乳・チーズ・卵の価格が約15%、パンとシリアルが10.7%、肉類は4.1%上昇した。


EUとの「人の往来の自由」協定、更新なるか?

Image caption: ほとんどすべてのセクターが「人の往来の自由」協定の更新に賛成している (Ex-press)

スイスとEUとの2国間協定「人の往来の自由」の有効期限が2008年末で切れ、その更新が問題になっている。 

EU新加盟国であるルーマニアとブルガリアへの同協定の適用拡大問題も解決されないままだ。 

 連邦議会の全州議会 (上院 ) は特別総会で欧州連合 ( EU )との「人の往来の自由」協定の2009年更新と、ルーマニアとブルガリアへの同協定の適用拡大の2項目を1つのパッケージにすると決定した。一方、連邦内閣はこのパッケージ化には反対の意向だ。連邦議会の国民議会 ( 下院 ) は6月の定例総会で決定を下す。もし、パッケージ化が承認されれば、2009年以降の更新の是非を問うレファレンダムが起きても、2項目を切り離さず、国民に審議が問われることになる。

 2項目を1つにすることが唯一の解決策

  2002年にEU 15カ国との間に承認された「人の往来の自由」協定は、2005年にEU新メンバー10カ国に拡大され、現在EU 25カ国がスイスと自由に行き来できる。

 しかし、労働市場での外国人労働者の増加を懸念したスイス国民は、同協定の有効期限を7年間に限定すること、EUの新加盟国への拡大も毎回検討することを、2000年の国民投票で決定していた。

 主にルーマニアからのジプシー流入による犯罪を懸念し、ルーマニアとブルガリアへの同協定の適用拡大に反対していた右派の国民党 ( SVP/UDC ) は、今回の全州議会での決定を受け、
「このパッケージ化は2000年に国民が下した決定を無視するもので、1つの巧妙に練られた作戦だ」
 と、強く批判した。

 「しかし、2項目を1つにすることが唯一の解決策だ。人の往来の自由に関して、EU25カ国と協定するが、 ( ルーマニアとブルガリアを加えた) 27カ国とではないといったことはあり得ない」
 と、右派の急進民主党 ( FDP/PRD ) の上院議員ディック・マルティ氏。EU 側は、もしルーマニアとブルガリアへの条約適用を承認しなければ、EU加盟国を「メニューをアラカルト風に選択するように」取り扱うスイスとは、今後協定を更新しないということになるだろうと説明した。

 更新反対は、経済的に大きな痛手

  「確かに、『人の往来の自由』を更新することと、EU 新メンバーに同法を適用することは、国民党が主張するようにまったく異なる2つの事項だ。しかし一方で、もしルーマニアとブルガリアへ適用しないと、協定自体が成立しなくなるどころか、『第1次スイスーEU協定』のほかの6つの協定も水の泡と化す可能性がある」
 と懸念するのは、ベルン大学の政治学者クラウス・アルミンゲオン氏。新加盟国を拒否することは、ある種の侮辱とEU に受け取られ、経済関係なども含む両者の今までの良好な関係に暗い影を落としかねないと分析する。

 一方、スイスの経済界は「人の往来の自由」協定更新に向け、すでに準備を進めている。スイスビジネス連合の「エコノミースイス ( economiesuisse ) 」が行った調査によれば、スイス企業の8割以上が、同協定更新は重要だと考えている。

 また、調査対象になった企業中のおよそ6割が、同協定更新はスイスの労働者の給与に影響を与えないと答えた。しかし、組合側は懸念を隠さず、給与のダンピングを避けるための対策を強化すべきだと訴えた。政府はこうした労働者側の立場を考慮する必要があり、これを無視すれば組合が同協定更新をレファレンダムにかける可能性も出てくる。

 「もし、スイス国民がレファレンダムで更新に反対すれば、経済的に大きな痛手を被ることになるだろう」
 とアルミンゲオン氏は警告する。経済界のパートナーとしてEUの果たす役割は大きい。スイスの全収益のおよそ3割がEUとの関係でもたらされるものだからだ。

swissinfo、カロル・ヴェルティ 里信邦子 ( さとのぶ くにこ ) 訳


『マケドニア その名だめだ』 NATO加盟にギリシャ猛反発

2008年3月30日 朝刊

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 四月二-四日にルーマニアの首都ブカレストで開かれる北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で新規加盟を目指すバルカン三カ国のうち、マケドニア旧ユーゴスラビア共和国について隣国ギリシャが拒否権をちらつかせ、猛反発している。十七年に及ぶ国名論争の解決を前提としているためだ。半面、国名の一部にマケドニアの名を入れる譲歩案も提示。首脳会議を論争終結に向けた好機ととらえる意図も見える。 (アテネで、牧真一郎)

 「近隣諸国とよい関係を持ち、同じ価値観を持つことが前提だ。国名問題が解決しない限り、加盟にノーと言い続ける」。ギリシャ外務省でバルカン担当の高官が言い切った。

 自国にマケドニア州を持つギリシャは、マケドニアの国名が領土的野心を示すものだとしてその変更を求めてきた。バルカン担当高官によると、マケドニアでは教科書にギリシャ、ブルガリア両国のマケドニア地方を含めた「グレート・マケドニア」を図示し、古代マケドニア時代の出土品が自国のものであるように教えているという。

 しかしギリシャ政府は昨年、態度を軟化。「マケドニア」の直前に「ニュー」などの形容詞を入れれば受け入れる姿勢を表明している。高官は「問題をこれ以上長引かせることはできないと考えた」と説明する。

 それでもマケドニア側は、今のところ妥協案を拒否。仲介役の国連が二十五日、首都名を入れた「マケドニア-スコピエ共和国」を提案したのに対し、ギリシャ側も「ギリシャのマケドニアと全く関係ないことを示す形容詞が不可欠」と拒絶した。

 マケドニアの硬い態度の背景には、複雑な民族事情がある。三分の二がスラブ人で、少数民族アルバニア人の中には隣国アルバニアとの合併を目指す独立運動がうごめく。マケドニアという共通項がなければ、コソボ独立の影響で独立派台頭の恐れがあるという。

 ギリシャの欧州・外交シンクタンク「ELIAMEP」のグロパス研究員(33)によると、マケドニアという国名は第二次大戦後、当時のユーゴスラビア連邦のチトー大統領が、地域統一のため持ち出したという。

 一方、ギリシャからは「この地域には海がない。ギリシャのマケドニア地方の港湾都市テッサロニキを手に入れたいのが本音だろう」(同研究員)とみえる。

 NATO首脳会議が転換点になるのか、解決はまた遠のくのか。大手紙カシメリニの外交担当、アントニウ記者(35)は「マケドニア側も、低迷する経済を立て直すためNATOや欧州連合(EU)への加盟が必要と考えているはず。ギリシャが国際的な圧力を受け軟化するのを待っているのではないか。どちらの結論もあり得る」とみている。

<マケドニア国名論争> マケドニア地方は、古代マケドニア王国の英雄アレクサンダー大王の出身地。1910年代のバルカン戦争でギリシャ、ブルガリア、セルビアに分割され、現在の国境線が定着した。旧ユーゴ連邦崩壊に伴い91年に「マケドニア共和国」が独立したが、ギリシャは「古代以来、自国の地名」として国名変更を要求。93年に「マケドニア旧ユーゴスラビア共和国」との暫定名称で国連加盟したが、反発したギリシャが一時、経済封鎖するに至った。国際会議などで「マケドニア」の使用が増える中、正式名称が決まらないまま問題が長期化している。


露、南・東欧へ着々地歩 ブルガリアとパイプライン合意

2008.1.20

 【モスクワ=遠藤良介】ロシアがブルガリアを経由する新しい天然ガス輸出パイプラインの敷設合意で、欧州エネルギー市場への影響力をいっそう強めそうだ。欧州連合(EU)はロシアへの資源依存度を減らそうと躍起だが、ロシアは親露的な国を個別に抱き込む“分断工作”を展開、南・東欧諸国への地歩を着々と築き始めている。

 ロシアとブルガリアが合意したのは、ロシアから黒海海底を経由、ブルガリアを中継基地として南・東欧諸国にロシア産天然ガスを搬送する「南ルート」。露国営ガスプロム社とイタリアのENI社が総工費100億ユーロ(約1兆5584億円)をかけ、2013年までの稼働を目指す。

 ロシアには、関係の悪化しているウクライナやベラルーシ経由の既存ルートを使わず、直接、南・東欧諸国にガスを輸出できる利点がある。

 天然ガス輸入の約4割をロシアに頼る欧州連合(EU)は、供給ルートの多角化を狙い、ロシアを回避してカスピ海沿岸国や中央アジア産ガスを輸入する「ナブコ・パイプライン」建設を計画している。しかし、今回、ロシアがブルガリア国内を通るパイプラインの権益を折半することで、同国を味方に引き込み、EUの思惑に先んじたかっこうだ。

 EUが新たなガス供給源として期待するトルクメニスタンやカザフスタンも、ロシアとの関係強化を優先させている。

 ロシアは、コソボ独立問題で欧米と溝を深めるセルビアまで「南ルート」を延長し、同国に巨大なガス貯蔵基地を建設する交渉も進めている。豊富な地下資源を武器に欧州への影響力拡大を目指すロシアの戦略は、EUの強い警戒感を尻目に順調に進捗(しんちよく)しているように見える。


東欧で欧米映画の撮影活況

2008.1.19

 冷戦終結後、東欧で欧米映画の撮影が行われるケースが増えている。制作費を低く抑えられるのに加え、西側諸国が失なった自然や歴史的な街並みが数多く残るからだ。東欧の各国とも誘致に必死で、EUの拡大とともに撮影は年々、東方にシフトする傾向がある。(プラハ 黒沢潤)

 プラハの映画撮影所「バランドフ・スタジオ」などで、米ファンタジー映画「ナルニア国物語-カスピアン王子の角笛」の撮影が進んでいる。アダムソン監督(41)は、「撮影用の巨大な城は(予算的に)チェコだからこそ造れた」と話した。

 フランスの古城を使うことも考えたが、人件費をはじめ高額な制作費が障害になった。チェコでの撮影にしたところ、インドなどからの石を使って本格的な巨城(高さ約20メートル)を造っても予算内に収まった。

 東欧諸国は欧米と比べ、制作費を2~4割も削減できる。広大な平原や森などの風景が数多く残り、プラハから半径100キロ以内で合戦舞台となる平原を探すことも容易だ。「ナルニア国物語」の合戦もプラハ北郊で撮影された。

 1918年にチェコスロバキアとして独立した際、オーストリア・ハンガリー二重帝国の工業資産の4分の3を継承し、有数の工業国となったチェコは技術者のレベルも高い。「舞台装置の金属溶接や大工仕事を任せると舌を巻くほど」(関係者)との指摘もある。

 ナルニアの宣伝担当アーミ・マリック氏(55)によると、「バランドフ・スタジオでは戦中、ナチスによって82本のプロパガンダ映画が製作された」という。

 チェコ映画の普及に努める「チェコ映画センター」の職員、ルドゥミラ・クラウソバさん(34)は「プラハには(ゴシック建築などの)歴史的建造物が残り、ナチス・ドイツを主題とする撮影現場としても最適」と語る。

 さまざまな面で魅力に富むチェコに、欧米映画業界が次々と押し寄せた結果、2006年だけで7600万ドル(約81億円)のカネが落とされた。

 チェコの成功に刺激され、近隣の国々も映画撮影の誘致に積極的に乗り出している。

 ハンガリーは20%もの税控除を導入し、ポーランドも欧米との共同製作を後押ししている。07年に欧州連合(EU)加盟を果たしたルーマニアやブルガリアも“注目株”だ。ルーマニアの場合は、制作費がチェコよりもさらに2割安いことが長所という。

 東欧での撮影は「欧米映画産業からの巨額の贈り物」(欧米紙)との礼賛がある一方で、問題もないわけではない。「(ルーマニアの)映画作製技術は不十分」(事情通)との指摘もあり、満足な映画を作れるかは別の問題といえる。また最近、米国の南北戦争を主題とした映画がルーマニアでのみ撮影されたことについて、米ハリウッドの映画労組は「米国で撮影しないのは問題」と、批判の声をあげた。


今年は「ソフトパワー」全開=軍事力使わない安保-EU

2008/01/02時事ドットコム

 【ブリュッセル2日時事】欧州連合(EU)は今年、軍事力とは別の国力「ソフトパワー」を最大限に活用する構えだ。セルビア南部コソボ自治州をめぐる緊張も、セルビアをEU加盟に導くことで緩和が期待される。成功すればEUのソフトパワーを地域安全保障に活用した好例となる。
 EUは昨年、ルーマニアとブルガリアが加わり、27カ国体制になった。現在、クロアチア、トルコ両国と加盟交渉中で、マケドニア、アルバニアなど西バルカン諸国も2010年代半ばまでの加盟を目指す。
 EU拡大は、他国を引き付ける独自の文化や価値観を表すソフトパワーの目に見える成果だ。EUの執行機関、欧州委員会のレーン委員(EU拡大担当)は昨年10月、近隣諸国をEU加盟に向かわせ、民主主義や市場経済が機能するよう促すことにEUのソフトパワーの核心があると語った。
 EU加盟を目指す国はまず「安定化・連合協定」に調印し、EUとの間で貿易制度などの調和を図る。その後、「加盟候補国」に認定され、政治・経済・社会制度など35の分野で加盟交渉に入る。レーン委員は、EU加盟は1つの「ブランド」で、「加盟に向けての過程でその質を監視することが欧州委員会の役割だ」と説明する。
 ソフトパワーで強化されたEUの外交力は今年、世界規模でも発揮されそうだ。EUは地球温暖化に絡み、環境規制などでEU基準を国際標準とすることを戦略としており、7月の北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)に向けて動きが注目される。

ブルガリア副首相、所得税10%に下げ

NIKKEI NET

 来日中のブルガリアのカルフィン副首相兼外相は5日、都内で日本経済新聞記者に会い、2008年から所得税率を現在の最高25%から10%に大幅に引き下げると表明した。累進課税方式も改め、現在は四段階の税率を一律にする。法人税は1月から一律10%に引き下げ済み。副首相は「法人税、所得税ともに欧州連合(EU)最低水準とし、海外投資の促進を狙う」と語った。

 海外投資を呼び込む重点分野としては「温暖化ガス対策の投資を政府を挙げて推進したい」とした。「日本などからの環境対策プロジェクトを呼び込み、技術向上につなげたい」と述べた。

 EUに加盟した今年1月以降の経済状況については「一部で指摘される景気過熱の兆候はみられない」と述べた。07年の経済成長率は6.5%を見込み、08年は同6.3%を目標とするとも明かした。


長さ1.2メートルの投票用紙と格闘、ブルガリア地方選挙

2007年10月29日 発信地:DJIGUROVO/ブルガリアAFPBB News

長さ1.2メートルの投票用紙と格闘、ブルガリア地方選挙

2007年10月28日、ブルガリアの首都ソフィア(Sofia)の南160キロにあるサンダンスキ(Sandanski)の投票所で、長さが1.2メートルもある地方選の投票用紙に目を通す男性。

【10月29日 AFP】28日に行われたブルガリアの地方選挙は各地で候補者が乱立し、有権者が自分の腰の位置まで届く長大な投票用紙に手を焼きながら投票を行った。

 南部のサンダンスキ(Sandanski)市では、29議席に対し、40政党からの420人と無所属の28人が立候補し、同市と周辺の村の投票用紙は長さ1.2メートルにもなった。

「なんてやっかいなんだ」。この地域にあるDjigurovo村(人口600人)では、住民が投票所の外に張り出してある投票用紙の見本を見て思わず声をあげた。同村ではこれに加え、首長選挙などでさらに2枚の投票用紙が配られた。

 数人の年配の女性が眼鏡をかけ直しながら巨大な投票用紙と格闘する一方、職員が3枚の投票用紙を折りたたんで封筒に入れ、投票箱に押し込む方法を指導する光景も見られた。投票が始まって2時間後には、投票箱の半分が埋まってしまった。

 ブルガリアでは、欧州連合(EU)が2013年までに地域開発に14億ユーロ(約2300億円)の財政援助を計画しており、これが候補者乱立の一因となっている。

 投票に来たロマ民族(Roma)のAnka Dimitrovaさん(62)は「文字は読めないし、投票する候補者の番号を覚えて投票用紙上で見つけるのには時間がかかるし、もうたくさんだ。選挙が終わってほっとしたよ」とたどたどしいブルガリア語で感想を漏らした。(c)AFP/Diana Simeonova


ブルガリア、不正防止のため投票ブースでの携帯電話使用を禁止

2007年 10月 25日

 [ソフィア 24日 ロイター] ブルガリアで買収による選挙の票集めが発覚したことを受け、28日に行われる地方選挙で投票ブース内での携帯電話とカメラの使用が禁止されることになった。 

 地元メディアは先に、わいろを受け取った有権者が、指定された候補者に票を投じたことを証明するため投票用紙を撮影していたと報じていた。これを受けて、議会は先週に関連法を改正し、自分の票を売った人は最高1年、買った人は同3年の禁固刑が科されることになった。

 ブルガリアはことし1月に欧州連合(EU)に加盟したが、依然として経済的困難に直面している。


単一通貨「ユーロ」の綴り問題、EU内に妥協成立

2007年10月17日発信地:ブリュッセル/ベルギーAFPBB News

【10月17日 AFP】欧州連合(EU)は15日、EU加盟を目指すモンテネグロとの安定化連合協定(Stabilisation and Association Agreement、SAA)締結に際し、ブルガリアが欧州単一通貨ユーロ(euro)の表記に異議を唱えていた問題で妥協にこぎ着け、調印は無事おこなわれた。

 すでにEUに加盟を果たしたブルガリア代表は、自国が調印する協定文書におけるユーロの綴りはキリル文字のアルファベットで表記することを主張。SAAはモンテネグロがEU加盟を果たすための公式手続きの第一歩という意味をもつ。

 この合意は欧州連合の外相理事会の合間に、EUとモンテネグロの政府代表との間で調印されることになっていたが、ブルガリア政府の調印文書上ではユーロをEURと表記することで妥協が成立。「ユーロの表記法については、今も見解の相違があるため」と説明されたが、今回の決定が将来の法令の前例にはならないことも強調された。(c)AFP


ブルガリアがユーロの表記に異議、モンテネグロのEU加盟に暗雲か

2007年10月13日  発信地:ブリュッセル/ベルギーAFPBB News

【10月13日 AFP】欧州連合(EU)は12日、EU加盟を目指すモンテネグロとの安定化連合協定(Stabilisation and Association Agreement、SAA)締結について、ブルガリアが協定における欧州単一通貨ユーロ(euro)の表記に対する異議を取り下げない限り協定締結はありえないと表明した。

 輪番制で2007年後半の議長国を務めるポルトガル政府高官は、「ことは単純だ。今日問題を解決するか、あるいは協定を締結しないかだ」と語った。

 この高官は、15日、モンテネグロ首相をルクセンブルク(Luxembourg)に招請しておきながら予定されていた調印を行わないのは非礼だとの見解を示したうえで、「協定の調印どころかコーヒーに誘う以外に何もできない状況で、一国の首相を招待するなどということは私にはとてもできない」と語った。

■ブルガリアの主張

 ブルガリアは、キリル語訳された協定の中で、ユーロが「euro」と表記されていることに反発、「evro」(ローマ字への翻字。キリル文字表記は写真参照)とするべきだと主張している。ブルガリアはこの1月、ルーマニアとともにEUに加盟したばかり。ブルガリア語は23か国語あるEUの公用語の1つとなっている。

 あるブルガリア外交官は「通貨ユーロの表記についてわれわれは完全にEUと見解を異にしている。現状の表記はキリルの書き方でない」と指摘した上で、「わが国の外相は政府より、ユーロという単語がわれわれの流儀で綴られない限り調印するに及ばず、という訓令を受けている」と述べた。さらに「加盟条約では、ユーロのキリル風の表記を求めるわれわれの権利が認められている」と説明する。

■今後に影響も

 バルカン諸国がEUに加盟するにはSAAに調印しなければならない。今回の表記問題が解決しない場合、今後なんらかの条約が結ばれるたびに同じ問題が蒸し返される可能性もある。また、ブルガリアが単一通貨を導入する2009年には、現在はローマ字およびギリシア語のアルファベットで書かれている貨幣自体の表記も問題となりかねない。

 さらに、EUの新しい「改革条約」への影響も予想される。新条約は今年末までに各国首脳の調印が必要だが、EU新条約の起草者にとって、合意を得た文書を一字一句正確にそれぞれの言語に翻訳するという難関が待っている。

 オリ・レーン(Olli Rehn)EU拡大委員は広報官を通じ「ブルガリアが、国内的に重要なのかもしれないが、協定の本質に無関係の技術的な言語の問題でモンテネグロを人質にとるつもりでいることを遺憾に感じている。この妨害は、西バルカン諸国に安定をもたらそうとするEUの政策の信頼性をも脅かすものだ」と述べた。

■モンテネグロには問題なし

 モンテネグロについてポルトガル政府高官は「モンテネグロには過失はない。われわれはモンテネグロが成し遂げた進展を歓迎する。協定締結の時期が来たと考えている」とした。(c)AFP


欧州憲法新条約、専門家レベルで合意

2007年10月03日発信地:ブリュッセル/ベルギーAFPBB News

欧州憲法新条約、専門家レベルで合意【10月3日 AFP】欧州連合(European Union、EU)加盟27か国の法律専門家は2日、欧州憲法の新条約案に合意した。EU議長国ポルトガルが発表した。

 議長国ポルトガルは「法律専門家らの合意により、新条約案の準備は整った」と明らかにした。

 ただし、専門家レベルでは合意に達したものの、新条約の策定までにはまだ障害がある。

 新条約は、15日にルクセンブルク(Luxembourg)で行われるEU外相理事会で協議される予定で、その上で18-19日の日程でポルトガルのリスボン(Lisbon)で開かれる非公式のEU首脳会議で承認される可能性が出てくる。

 さらに、予定通り全EU加盟国が今年中に新条約に署名したとしても、批准されるかどうかは各国の状況次第だ。(c)AFP


ブルガリア、ルーマニアの移民受け入れ規制を継続−EU域内の労働力の自由移動(3)− (英国) 2007年8月27日

日本貿易振興機構(ジェトロ)

英国は2006年までEU新規加盟国からの移民労働者を基本的に無制限で受け入れてきた。そのため、政府予想を上回る移民労働者数が流入し、現状で60万人を超えている。政府は07年新規EU加盟国のブルガリア、ルーマニアからの移民については規制し、今後の規制緩和について慎重な姿勢を示している。

EUの経済格差、最大で7.5倍超・新規加盟国すべて平均下回る

NIKKEI NET

 【ブリュッセル=下田敏】欧州連合(EU)加盟国に最大で7.5倍を超える経済格差があることがEU統計局の調査でわかった。物価調整後の1人当たり国内総生産(GDP、EU平均=100)で首位のルクセンブルクは280、最下位ブルガリアはわずか37だった。新規加盟国の中・東欧などはすべてEU平均を下回っており、格差が移民労働者の問題を生んでいる構図だ。

 1人当たりGDPの上位はベネルクスや北欧の中小国が占め、英独仏の主要国は110台となった。新規加盟国のポーランドなどは英独仏の半分程度、今年から加わったルーマニアやブルガリアは約3分の一だった。加盟候補国であるトルコはこれをさらに下回る29で、経済力からみてもEUの標準との開きはかなり大きいことがうかがえる


1人当たりGDP格差、最大7.5倍=首位はルクセンブルク-EU

2007/06/28時事ドットコム
 【ブリュッセル28日時事】欧州連合(EU)統計局は28日、2006年の一人当たり国内総生産(GDP、購買力平価ベース)の域内格差が最大7.57倍に達したことを明らかにした。
 EU27カ国平均の一人当たりGDPを100とした場合、最大のルクセンブルクは280。これに対し、最低のブルガリアは37だった。
 1人当たりGDPが高水準なのは、アイルランド(144)、オランダ(131)。逆に、ブルガリアとともに今年からEUに加盟したルーマニアは38と低い。ポーランド(53)、スロバキア(63)も平均を大きく下回った。

ブルガリア:犯罪撲滅を掲げたスターの誕生
2007/06/10

【ソフィアIPS=クラウディア・シオバヌ、6月1日】

 5月20日、ブルガリアではじめての欧州議会選挙が行われた。732議席中、ブルガリアは18議席を占める。ブルガリア全土の投票率は28.6%と低かった。

 ブルガリアでは、2005年8月以来、社会党、「シメオン2世国民運動」(NMS、リベラル)、「権利と自由のための運動」(MRF、トルコ系)の3党が大連立を組んでいる。今回の欧州議会選で、社会党は5議席、MRFは4議席取ったが、NMSは1議席しか取れなかった。また、極右政党のアタカは3議席だった。

 他方、2006年にできたばかりの「ブルガリアの欧州的開発を求める市民」(GERB)は、社会党と同じだけの得票率を得た。同党を率いるソフィア市長のボイコ・ボリソフ氏の人気が同党をここまで押し上げたといえる。

 ボリソフ氏は、冷戦期から一貫して内務畑を歩み、1990年代には要人警護のための警備会社を一時設立していたこともある。2001年から2005年までは内務大臣を務めていた。ボリソフ氏は、この経験を生かして、組織犯罪や汚職を撲滅すると国民に強力にアピールし、近年急速にその人気を高めていた。

 ボリソフ氏は、5月21日、今年末にも総選挙を行うよう要求した。本来の任期は2009年までである。人気が続く限り、2009年にもボリソフ氏が首相に就任するとの観測も出ている。

出稼ぎ者が減少、夏の農作物収穫に影響と 英国

2007.05.29CNN Japan

ロンドン──英国の農場で夏の間だけ収穫作業に従事する他国からの出稼ぎ労働者が減少しており、イチゴやラズベリー、野菜類などを十分に収穫できない可能性が出てきた。英国農業者連盟(NFU)は、収穫のピークを迎える夏を前に、多方面に影響を与えるとして、懸念している。

英政府の統計によると、東欧諸国から英国の農業業界に出稼ぎに来る労働者は、2005年の2万2700人から、06年には1万9896人に減少。今年に入っては、3月までの3カ月間で、3400人しか入国していない。

英国政府は1940年代から、欧州域外の学生らに対し、夏季期間限定で農業に従事できる許可を与えてきた。しかし近ごろ、この季節農業労働者計画を変更。昨年は2万4000人に労働を許可していたが、今年は1万6500人に削減していた。さらに、許可を与える労働者のうち40%を、今年から欧州連合(EU)に加盟するルーマニアとブルガリアからの労働者にするよう、基準を設けている。

NFUは政府に対し、この方針転換を見直すよう求め、労働者を確保したいとしている。


出口調査の速報、花やウインクにたとえて報道 - ブルガリア

2007年05月21日 発信地:ブルガリアAFPBB News

【ソフィア/ブルガリア 21日 AFP】ブルガリアで20日、初の欧州議会(European Parliament)の議員選挙が行われたが、同国では投票実施中に出口調査を発表することが禁止されている。国内メディアは選挙速報を伝えるために子守唄や花売り、風速を伝えるニュースなど巧妙な手法を編み出して法の目をかいくぐっている。

 BGNES放送の天気予報は同日、「気温は26度、ただし与党の社会党事務所周辺のみ」と伝えた。知る人ぞ知る、この天気予報はセルゲイ・スタニシェフ(Sergey Stanishev)首相率いる社会党が、欧州議会におけるブルガリア代表の定員18席中6席を獲得したことを意味する。

 Boiko Borisovソフィア市長らが新結成したGERB党の事務所は1キロと離れていないが、気温は低く19度、つまりGERBの獲得議席は4議席だということだ。同放送局は午後1時、風速毎秒12メートルを観測したと放送した。つまり投票率は12%だった。

 Focus放送では、調査会社5社からの情報を映画、歌、本、花、おとぎ話になぞらえた。内相時代に犯罪取締りで手腕を見せたGERB党首のBorisov氏を、ブルガリアのおとぎ話「勇敢な男」に見立て、社会党を指す「赤ずきん」が「勇敢な男」をやっつけると語った。または、社会党のシンボルであるバラがGERBを示す派手なガーベラよりも売れ、トルコ系政党を指すタバコは第3位だったと伝えた。

 独立系ラジオ局Darikでは、曲のランキングに模して選挙速報を放送した。それぞれの候補者に相当する曲に対し、視聴者が電話やネットで「投票」したとして順位を伝えた。第1党の社会党に振り当てられたのはイギリスのバンドUB40の歌『レッド、レッド・ワイン(Red, red wine)』。GERB党に当てられたドイツのバンドScooterの『Fire』より人気があったと伝えられた。

 Darikは出口調査をランキングに変えて発表する放送を約6年前に始めたが、投票実施中の発表を禁じる法には触れるものの罰金は低額で、半ばおとがめなしで通っている。

 公式な出口調査の第1回発表は、投票所が閉まる午後7時から1時間後となる。

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大酒飲みはアイルランド人?=34%が1度に5杯以上-欧州統計

時事ドットコム

 【ブリュッセル18日時事】欧州一の大酒飲みはアイルランド人?-。欧州連合(EU)の世論調査機関ユーロバロメーターがこのほどまとめた統計で、1回に飲む酒量では、このような結果が明らかになった。
 統計によると、アルコールの種類は特定していないが、1回に飲む量が5杯以上という回答率がアイルランド人は34%と、EU加盟27カ国で最も高かった。これにフィンランド人の27%、英国人の24%、デンマーク人の23%が続く。逆に量が最も少ないのはブルガリア人で、5杯以上は全体の1%、「1、2杯」が64%だった。
 一方、毎日飲む割合は、ポルトガル人の47%、イタリア人の26%、スペイン人の25%の順。アイルランド人は2%にとどまり、最も割合が高いのは「週1回」の41%だった。欧州内でも飲み方に大きな違いがあることが鮮明になった。


三菱重工、排出権担保に資金調達・欧州の風力発電事業で

NIKKEI NET

 三菱重工業はブルガリアで計画中の風力発電事業で、温暖化ガス削減で得る排出権の売却と売電収入を担保に金融機関から資金を調達する。排出権を担保にした融資は世界初という。こうした温暖化対策事業は収益確保が予測しにくく、金融機関は融資に慎重な姿勢。新たに排出権を担保にすることで資金調達を可能にした。欧州で取引所が開設されるなど排出権売却の受け皿が整ってきたことで、今後同様の動きが広がりそうだ。

 事業主体は三菱重工と現地建設会社の合弁企業。黒海沿岸に三菱重工製の風車(出力1000キロワット)を35基設置。2008年に稼働し、ブルガリア国営電力会社に売電する。国際協力銀行とみずほコーポレート銀行が協調融資し、19日にブルガリアで契約を結ぶ。融資総額は3800万ユーロ(約59億円)。


ハイネケン、企業買収で市場を獲得−企業の対ルーマニア・ブルガリア戦略(5)− (オランダ) 2007年3月9日

日本貿易振興機構(ジェトロ)

 オランダ企業のルーマニア向け、ブルガリア向け投資は多く、国別投資額ではルーマニアでは最大、ブルガリアでは第2位となっている。ハイネケンは2003年に中欧に進出し、企業買収によりルーマニアやブルガリア市場でも急成長している。

ブルガリア:汚職・組織犯罪と闘う 2007/03/02(IPSJapan)
【ブカレストIPS=クラウディア・シオバヌ、2月15日】

 ブルガリアが、今年1月1日の欧州連合(EU)入りに前後して、さまざまな汚職・組織犯罪撲滅策をとっている。

 欧州委員会は、昨年9月に発表した、(翌年EU入りすることになる)ブルガリアとルーマニアに関する最後の監視レポートにおいて、「汚職と闘うために矯正策が即座に取られなくてはならない」と述べていた。レポートによれば、ブルガリアにおいては、殺人はめったに起訴にまで結びつかず、銃器の不法所持は止まらず、人身売買・麻薬密売・資金洗浄・通貨偽造などにかんする起訴率はきわめて低かった。

 汚職がやまない限り、EU各国は、ブルガリア・ルーマニア両国で発行された逮捕状を無効にしたり、両国への資金を遅らせたりすることができる。今年3月にはEUによる最初の評価がなされることになっている。

 ブルガリアのこれに対する最初の対応は、ボリス・ヘルチェフ氏(43)を2006年2月に新しい検事総長に任命することであった。同氏は大学教授で、政府の法務部門の長官を務めていた。

 ヘルチェフ氏はまず、検察官自身が腐敗していると宣言した。また、昨年11月には、5人の若い検察官から成る特別班を編成して、有名な25のケースを担当させることとした。

 他方、ブルガリアは2月2日、4つの憲法修正を成立させた。そのうち2つが司法部に関連するものである。ある修正条項は、司法部を監視するために新しい機関を議会が創設することを定めている。EUは、司法の過度の独立が汚職の原因であるとして、その権限の抑制を求めていた。ヘルチェフ検事総長は、これまた腐敗している議会が司法改革のペースを緩めるためにこの条項を使うのではないかと恐れ、当初この措置に反対していた。しかし、彼もEUからの要求に屈する形となった。

 もうひとつの修正条項は、裁判官と検察官の免責特権を、彼らの職務遂行に関するものに限定している。

 「トランスペアレンシー・インターナショナル」ブルガリア支部は、改革は緒に就いたばかりでありその成果を期待するにはまだ早い、とIPSの取材に対して答えた。

翻訳/サマリー=山口響/IPS Japan浅霧勝浩

ブカレストIPSのクラウディア・シオバヌより、汚職と闘うブルガリアの現状について報告したIPS記事。(IPS Japan浅霧勝浩)



所得格差、最大13倍=新規加盟国は3分の1-EU 2007/02/27

 【ブリュッセル26日時事】欧州連合(EU)域内の所得格差が2004年に最大13倍近くに達したことが、このほど公表されたEU統計局のデータで明らかとなった。特に今年からEUに加盟したルーマニア、ブルガリア両国の所得水準はEU平均の約3分の1にとどまっており、経済発展の遅れが目立つ。
 統計は、EU27カ国の国内総生産(GDP、購買力平価ベース)の平均を100とし、268の地域に分けて比較した。それによると、1人当たりGDPが最も高かったのは英ロンドン中心部の302.9だった。次いでルクセンブルク(全国)、ベルギー・ブリュッセル首都圏の順。
 最も貧しいのはルーマニア北東地域で、1人当たりの年間所得は購買力平価ベースで5070ユーロと、最も豊かなロンドン中心部の6万5138ユーロのほぼ13分の1にとどまった。ルーマニア、ブルガリア両国では、所得がEU平均の3割にも満たない地域が多かった。

旧体制の「遺産」問題化 ブルガリア原子炉・ポーランド造船所


FujiSankei Business i. 2007/2/20

 欧州連合(EU)に加盟した中・東欧諸国の間で、旧共産主義体制から受け継いだ「遺産」が問題化している。ブルガリアは加盟条件だった旧式原子炉閉鎖の撤回をEUに要請、ポーランドは国営造船所への補助金問題をめぐりEUの行政執行機関、欧州委員会ともめている。

 今年1月、悲願のEU加盟を果たしたばかりのブルガリア。加盟条約に盛り込まれた条件の一つが、首都ソフィアの北約200キロにあるコズロドゥイ原子力発電所の旧ソ連製原子炉4基の閉鎖だった。同国は2002年末にまず2基、昨年末にさらに2基を閉鎖し、条件を達成。EUから5億7000万ユーロ(約895億円)の補償金を受け取った。

 同原発では、新型の2基がまだ稼働中。しかし、他のバルカン諸国に電力を輸出するほどだった同国は、閉鎖によって「バルカン地域はエネルギー危機に陥った」(オフチャロフ経済・エネルギー相)などと主張。EU運輸・通信・エネルギー相理事会で、昨年末閉鎖した2基の再稼働を認めるよう訴えた。

 しかし、理事会は「加盟条約の変更は不可能」(ピエバルグス欧州委員=エネルギー担当)と訴えを拒否。同国では、再稼働が無理なら補償金の積み増しを求める声も出ている。

 一方、欧州委はポーランドのグダニスクなど経営難の造船所3カ所に対し、将来利益を出せることを明確にした長期的な再建計画の提出を要請。今月末までに提出できなければ、これまでの政府補助金は一時的な救済策で違法だと認定し、数億ユーロの返還を命じることもあり得ると警告している。

 グダニスク造船所は共産主義体制下で初の自主管理労組「連帯」が誕生した舞台として有名だが、補助金返還を命じられれば破綻(はたん)に追い込まれる可能性もある。(ブリュッセル 時事)

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欧州不正対策局、SAPARD不正を調査する合同作戦を実施

駐日欧州委員会代表部

OLAF/07/03
ブリュッセル

<日本語仮訳>

欧州不正対策局(OLAF)との緊密な協力のもと、ブルガリア、ドイツ、スイス各国の検察庁および関連当局は大々的な調査を実施し、欧州連合(EU)への加盟準備支援資金に関係した国際犯罪組織を摘発した。EUが資金を提供する「農業近代化および農村開発に対する支援プログラム(SAPARD)」の補助金不正利用の経済的影響は、約750万ユーロと見積もられる。

OLAFと加盟国の関連部門が6カ月に及ぶ合同調査を行ったところ、SAPARDプログラムの不正利用を疑うにあたる証拠が発見された。

調査対象となった企業は、回転木馬型詐欺に関連しており、50以上の企業を結ぶネットワークの一部を構成していた。不正に関係したと疑われている受益者に対して、SAPARD庁は約750万ユーロを支払っていた。

不正が疑われている事件では、ブルガリア、ドイツおよびスイスの企業が、肉製品の加工・包装に使用する中古機械を水増しした価格で購入した後、ブルガリアでこれらの資格外の機械に対するSAPARDの補助金を、水増し価格に基づいて不正に申請していた、とされる。

OLAFのF.H.ブリュナー総局長は、この度の動きを歓迎した。今回のように欧州委員会の予算を悪用した組織的な不正を取り締まるにあたって、なすべきことはいまだに多く残っているため、ブルガリア当局との協力継続に対する期待を表明した。

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ブルガリアとの国境通過はスムーズ−ブカレスト〜イスタンブール間は2時間短縮− (ルーマニア) 2007年2月14日

日本貿易振興機構(ジェトロ)

ルーマニアとブルガリア国境の通過は、パスポートチェックが簡素化されたため、スムーズになった。トラックによる国境越えも正常化している。一時通行税などの地方税が課税されて問題となっていたが、一時停止の状態が続いている。

伊イタルセメンティ、第1クラスの投資優遇策を取得−セメント工場の拡張計画で− (ブルガリア) 

2007年1月23日:日本貿易振興機構(ジェトロ)

イタリアの大手セメント・メーカーのイタルセメンティ(Italcementi)が、生産能力50%増を図る大規模投資プロジェクトについて、政府から投資優遇策の「第1クラス」の承認を得た。同社は優遇策を利用して、行政手続き期間の短縮を要請するが、工場稼働に必要な「環境影響評価」の認可が、要請どおり4ヵ月で取れるかどうか、EU加盟後の官僚制度の改善ぶりが注目されている。

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EU新加盟国ブルガリア、ルーマニアで不動産価格上昇

FujiSankei Business i. 2007/1/25  

■3年で2倍も/供給過剰問題も発生

 今月1日に欧州連合(EU)に加盟したルーマニアとブルガリアで不動産価格が急上昇している。EU加盟に伴う経済成長への期待を背景にした住宅やオフィスビルの建設が増加しているためだ。一方で過剰供給や歴史的建造物の破壊を懸念する声も高まっている。

 AP通信によると、ルーマニアのマンション価格は06年に平均で8~10%、ブルガリアでは15~20%も上昇。3年前の2倍以上に値上がりした不動産物件もある。アナリストは「住宅、商業需要が旺盛なことに加え、海外からの観光客や投資の増加が地価上昇の背景にある。不動産ブームには終わりがみえない」と話しているという。

 ルーマニアの首都ブカレストでは、共産主義時代の古ぼけた建物が並んでいた地域が高層ビルの並ぶビジネスセンターに生まれ変わるなどオフィスビルの開発が進む。

 住宅は、1990年代に不動産担保貸し付けが禁止されていたが、06年にルーマニアでは約8万人、ブルガリアでは約3万1000人が年利7~9%の住宅ローンを利用。ルーマニアの場合、独裁者のチャウシェスク元大統領の政権下で建てられたマンションや耐震機能のない古い建物の住民が住み替えをしているという。

 また、両国はEU加盟で経済成長や所得水準の向上が期待され、今後海外からの直接投資が拡大するのは確実な情勢だ。

 ブルームバーグによると、独投資会社、デカ・インベストメントは、低コストの熟練労働力が豊富なルーマニアを新たな生産拠点と位置付ける海外企業が増えると指摘。同国への海外からの06年の投資は過去最高の80億ユーロ(約1兆2560億円)に達する見通しだが、同国政府も07年の投資額がさらに増加するとみている。

 一方、EU加盟に伴いインフレが懸念されるのに対し、両国の1人当たりGNP(国民総生産)はEU(25カ国)平均の約3分の1と低く、当面、不安定な経済情勢が続く。こうした中で、急速に進む不動産開発が、需給を軟化させ、資産デフレをもたらす心配もぬぐえない。

 AP通信によると不動産業界では、ブカレストで進められている17のショッピングセンター建設について「過剰」との指摘も出ている。ブルガリアでは年間約150万人の観光客が訪れる黒海のリゾート地で高級ホテルの空室率が高いにもかかわらず、将来の観光客増加を見込み新ホテルの建設が進んでいるという。

 数世紀の歴史を持つ建物が建て替えで破壊されるなど、急速な不動産開発に伴う弊害も少なくない。(坂本一之)

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産業集積進むテレビ・自動車産業−ジェトロセミナー− (中・東欧) 

2007年1月22日:日本貿易振興機構(ジェトロ)

ルーマニアとブルガリアの加盟で27ヵ国体制になったEUで、中・東欧は生産拠点としてのプレゼンスを高めている。ジェトロは2006年12月東京で、特に集積が進むテレビと自動車にスポットを当てたセミナーを開催、相次ぐ企業進出の背景、企業のサプライチェーン構築状況や産業集積の最新動向を報告した。

欧州議会に極右会派 EU2カ国加盟で“出現” 7カ国20議員「統合路線に反対」

=2007/01/22付 西日本新聞朝刊=

写真
欧州議会で「触媒の役割を果たす」と自信を示すITS代表のゴルニッシュ議員
 欧州連合(EU)は今年からルーマニアとブルガリアが新たに加盟し27カ国となった。それに伴い、EU予算の承認権や閣僚理事会決定への一部拒否権などを持つ欧州議会の勢力図に異変が起き、議論を巻き起こしている。2カ国加盟で極右政党出身議員が増えたため、会派が結成され、欧州に「極右連合」が出現したのだ。 (パリ・井手季彦)

■強まる発言権他派警戒

■結成条件満たす

 「5つの異なる国の20人以上という会派条件をクリアし、新グループ『アイデンティティー・伝統・統治(ITS)』が結成された」。フランス北部ストラスブールの欧州議会本会議場で今月15日の議会初日、ジョセップ・ボレル議長が「極右連合」成立を宣言した。

 732だった議会の全議席は新規加盟2カ国の新議員を合わせ785となり、そのうちITSは20。メンバーは、ジャンマリ・ルペン氏が率いるフランスの国民戦線7人、ルーマニア民族主義を掲げる大ルーマニア党5人、ベルギーのフラームス・ブロック3人、ベニト・ムソリーニの孫娘アレッサンドラ・ムソリーニ氏を含むイタリア国民同盟2人。そのほかオーストリア、英国、ブルガリアが各1人だ。

 このうちフランス、ルーマニア、ブルガリアの各極右政党は、党首が大統領選で決選投票まで勝ち残った経験があり、それぞれの国で大きな影響力を持っている。

■基本理念と対立

 欧州議会の他会派の警戒感は強く、第2勢力である社会主義グループは「会派成立には共通の政治ビジョンが必要」として、ITSの正当性再検討を議長に要求。しかしITSのメンバー全員が「政治宣言」に調印したことから却下された。

 政治宣言でITSは、(1)国家の利益、君主権、独立性を承認する(2)キリスト教徒である(3)欧州単一化、官僚主義化やEUの超国家化に反対する‐などを提示している。

 これに対し、会派の1つである緑グループは、「ITSの考え方は欧州統合の深化を進めるEUの基本理論と正反対だ」と指摘。他の会派も「われわれは欧州全体がうまく機能するように努力しているのに、ITSはそれを失敗させようとしている」と批判する。

 英国の自由民主党出身のクリス・デビー議員は「ITSの出現で欧州市民の敵が誰であるかがはっきり分かるようになった」と皮肉った。

■代表に有罪判決

 ITSの代表となったフランス国民戦線のナンバー2、ブルーノ・ゴルニッシュ議員は「ITSは欧州議会で触媒の役割を果たすはず」と、自信を示す。「他会派の多くの議員がプライベートではITSと共通する考え方を持っているが、主張することをためらっているだけだ」というのだ。

 同議員は、ナチスによるユダヤ人大虐殺の史実を否定した罪で今月18日、リヨン軽罪裁判所から執行猶予付き懲役3月の判決を受けた。

 会派結成で、ITSは議会からスタッフ経費などを支給される。また、メンバーが2つの委員会の副議長となり、本会議の議題を選ぶ場にも参加する。欧州の重要な課題について発言権を拡大することが確実だ。

 このため、EU関係者だけでなく、イスラエル外務省も深い憂慮を示している。

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調査結果は「ユーロに満足」

駐日欧州委員会代表部

ユーロへの信認が高まっている。31,500万人の欧州市民の手にユーロが渡ってから5年、ユーロがどのような便益をもたらしているかを知らない人が極めて多いにも関わらず、この状況だ。

低いインフレ率と金利、為替レートと市場の安定、輸入品価格の低下、貿易と投資の拡大、以前よりも簡単で安くなった旅行、価格の透明性向上と競争。ユーロについてこのような便益があることはほとんど知られていない、とアルムニア経済・通貨問題担当委員は語る。

過半数を優に超える人々(68%)がこの単一通貨に満足しているが、その便益をしっかりと認識している人はあまり多くないことが最近のEU調査により判明した。ユーロにより物価が上がったという意識は今も残っているが、事実に裏付けられたものではない。ユーロが導入されて以来、多くの国においてインフレ率が過去最低のレベルになった(2%前後)。

この調査によると、欧州国民の4人に1人しか、自国以外のEU加盟国で現金を引き出す、あるいは銀行カードで支払いをする場合、追加料金はかからないことを知らない(それぞれ23%27%)。銀行送金に追加料金がかからないことを知る人はさらに少ない(16%)。

しかしながら、これが現金の流通量の着実な増加を妨げることはなく、現在では、流通量は金額にして6,000億ユーロを超えている。紙幣の流通枚数は2,210億ユーロから5,950億ユーロへとほぼ3倍に膨らんでいる。硬貨の増加はそれよりも少なく、130億ユーロから176億ユーロに増えた。

だが、すべての人がこの新通貨で考えることに慣れているわけではない。回答者の57%が日常生活においてユーロで計算していると答えたが、22%はまだ旧通貨で数えていると回答した(両方と答えた人は21%であった)。

また、数値は欧州以外でもユーロが広く使われていることを示している。欧州中央銀行によると、現在流通しているユーロ紙幣の総額のうち、1020%がユーロ圏以外で使用されている。

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欧州委員会、ブルガリアとルーマニアのEU加盟歓迎写真展を開催

駐日欧州委員会代表部は今年1月1日にブルガリアとルーマニアが新たに欧州連合(EU)に加盟したことを記念して、これら東欧2カ国のさまざまな側面を紹介する写真展を下記の通り、12日間にわたって都内で開催します。

本写真展ではブルガリア、ルーマニア、日本の写真家による作品約120点が展示されます。ブルガリアからはユネスコ(UNESCO)登録世界遺産やカザンラク近郊の世界的に有名な「バラの谷」、12〜14世紀の間ブルガリアの首都であり大関琴欧洲の出身地ヴェリコ・タルノヴォ市、また欧州で最も古い首都のひとつで7000年以上の歴史を持つ現首都ソフィアなどの写真が出展されます。

名称: 「欧州連合(EU)新規加盟国写真展 ブルガリアとルーマニア」

場所: JR東京駅八重洲中央口・南口直下 八重洲地下街センタースポット
     八重洲地下駐車場(西・東)直結

日時: 2007年1月24日(水)〜2月4日(日)、10:00〜20:00

入場: 無料

駐日欧州委員会代表部ホームページ http://jpn.cec.eu.int/

※詳細は、「大使館便り」のページに掲載しております。

国境での地方税徴収を一時停止 (ルーマニア) 2007年1月12日

日本貿易振興機構(ジェトロ)

ジュルジュとブルガリアのルセ間の税関で地域環境税など地方税の徴収が一時的に停止された。他の国境(地方自治体)でもこうした徴税に対する抗議運動が広がっている。ハンガリーとの国境の一部では、たばことアルコールの持ち込み量をチェックするため、ルーマニア側から入るトラックの荷物検査を始めたもよう。

EU旧加盟13カ国、ルーマニアなどからの労働者流入規制NIKKEI NET

 【ブリュッセル=下田敏】欧州連合(EU)の欧州委員会は11日、今年1月に加盟したルーマニア、ブルガリアからの労働者の流入を旧加盟国の13カ国が規制すると発表した。労働市場を完全開放しているのはフィンランドとスウェーデンの2カ国だけになる。EU域内では東西間の経済格差から旧加盟国は移民労働者の大量流入を恐れており、英国とアイルランドは労働市場の開放政策を転換した。

 2004年加盟の中・東欧など10カ国ではハンガリーとマルタを除く8カ国がルーマニアなどの労働者を完全に受け入れる。だが経済力のある旧加盟国の大半が流入を規制するため、EU域内の労働者の移動は進みそうにない。


麻生外務大臣、欧州と新たな外交戦略展開へ

麻生太郎外務大臣は東ヨーロッパ外交ツアーの一環としてブルガリアとのビジネス提携拡大に挑もうとしている。麻生外務大臣は11日、「ブルガリアは最近EUに加盟したことで、日本との経済・政治的提携関係改善が期待される」と述べた。

 麻生外務大臣は「ブルガリアがEUに加盟したことで、日本の投資家はブルガリアへの投資により関心を示すようになった。今後ブルガリアと日本のビジネス関係は改善されるだろう」と述べた。ブルガリアは1日にルーマニアと共にEUに正式加盟した。

 麻生外務大臣は、ブルガリアのスタニシェフ首相とも会見した。スタニシェフ首相は日本のブルガリア経済開発支援に感謝の意を表明した。ブルガリアはこれまで日本による総額8億ドルにも上る多種多様な開発プロジェクトに参加している。麻生外務大臣は10日にはルーマニアを訪れており、今後ハンガリーとスロバキアも訪問する。

 ブルガリアとルーマニアは麻生外務大臣に「自由と繁栄の弧」をアジアから欧州に引き伸ばす新たな外交政策を行うことを促進した。これを受け麻生外務大臣は、ブルガリアでは、「日本はブルガリアと親密に協力して活動することで、新たな外交戦略を展開していく」と述べた。またルーマニア滞在中には、「ルーマニアは日本の新たな外交政策を行っていく上で、重要な『自由と繁栄の弧』拡大のための翼となる」と述べた。

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新規加盟2ヵ国からの労働者流入を制限できるのは最長7年 (EU) 2007年1月11日

日本貿易振興機構(ジェトロ)

2007年1月からEUに加盟したブルガリアとルーマニアから既加盟国への労働者の自由移動を制限できる移行期間は最長7年と設定されている。EU27ヵ国体制での完全な人の自由移動は遅くても14年1月に実現することになる。

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【ブルガリア】2010年のユーロ採用延期も[経済]

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 2010年初めを予定しているブルガリアの欧州単一通貨ユーロの採用が遅れる可能性が出てきた。8日にテレビに出演したオレシャルスキ財務相は目標にこだわらない考えを示した。

 インフレ率が依然として高いことが理由。政府当局者はこれまで、年明けの欧州連合(EU)加盟後、ユーロ導入の準備段階である「為替相場メカニズム(ERM2)」に早期に参加する意向を繰り返し表明していた。だが財務相は物価動向によっては「2~3年後、あるいは5年先になるかもしれない」と述べ、無理なインフレ抑制策は取らない姿勢を明確にした。

 ブルガリアは現在、ユーロ採用に必要とされる経済5条件のうち、インフレ率を除く4つを満たしている。


EU、新旧加盟国の経済格差は3倍NIKKEI NET

 【ブリュッセル=下田敏】1日に欧州連合(EU)に新規加盟したルーマニア、ブルガリアと、他のEU加盟国との経済格差が3倍に達することがEU統計局の調査でわかった。1人あたり国内総生産(GDP、物価調整後)はEU平均を100とすると、ブルガリアが33、ルーマニアが34。2004年加盟の中・東欧など10カ国と比べても半分程度で、西欧への移民急増などが懸念される。

 主要なEU加盟国である英独仏の1人あたりGDPは110前後。中・東欧などは単純平均で65で、経済格差から西欧に流入する低賃金の労働者が急増し、西欧では賃金下落や雇用悪化の懸念が強まった。今年加盟した東欧2カ国は04年の加盟国をさらに下回っており、英国は両国からの労働者の移動を認めない方針を決めている。(07:01)

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外国人移民がもたらす利益は、ひとりにつき週あたりわずか4ペンス!

英国にやってくる外国人移民がひと月で英国にもたらす利益は、ひとりにつき週あたり4ペンス(約8円)、1ヵ月でも「マーズ」チョコレート・バーの3分の1にしか相当しないという試算が、移民問題に関するシンクタンク団体「Migrationwatch」によって発表された。

移民問題に関しては、ブルガリアとルーマニアが1日から新たにEUに加盟したのを機に、マーガレット・ベケット外相がこれらの国からの移民により、英国がより多くの恩恵にあずかることができるとの見方を示したばかりという。

しかし、外国からの移民が英国内に大量流入してくることに懸念を訴える「Migrationwatch」では、英国経済に多大な貢献をしている移民も多いと認める一方で、全体として見た場合、移民が英国にもたらす利益はごくわずかであると指摘。移民によって最も大きな利益を得ているのは受け入れ国ではなく、1日に約1,000万ポンド(約20億円)を祖国に仕送りできる移民自身であると訴えたとされる。

これに対し、英国内の雇用主で構成される団体「CBI」では、移民がもたらす英国への利益についてはさらに深い検証が必要と主張し、「Migrationwatch」の提示した数字を批判。英国にやってくる移民はさまざまな技術と考え方をもたらし、英国人ができない、またはやろうとしない仕事につき、労働市場のすきまを埋めてくれるほか、移民が支払う税金は、多くの移民が自国に戻った後も、英国内の公共サービスや年金の資金源として役立つと反論したという。

また、英国内務省でも、移民が国内の雇用状況や経済の向上に一役買っていることを認めているとされる。


1月からルーマニア・ブルガリアに就労許可を自動発給−分野は限定− (ハンガリー) 2007年1月4日

日本貿易振興機構(ジェトロ)

政府は、2007年1月からEU加盟国となるルーマニア、ブルガリアに対して、労働力が懸念される分野の労働市場を開放した。両国の労働者がハンガリー国内の219の分野で就労をする場合には、労働許可が自動的に発給される。

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スロベニアがユーロ導入、EU新加盟国で先陣

 【リュブリャナ=桜庭薫】スロベニアが1日、2004年に欧州連合(EU)に加盟した中・東欧10カ国のうち、欧州単一通貨ユーロの導入で先陣を切った。旧共産圏としての導入も初めて。同国のバユク財務相は「人口3億人を超えるユーロ圏に参加できる意義は大きい」と述べた。

 人口200万人の小国ながら、財政赤字、インフレ率などユーロ導入に必要な基準をすべて満たし、13カ国目としてユーロ圏入りした。

 一方、1日にEUに加盟したルーマニア、ブルガリア両国では前夜から祝賀行事が首都で開かれ、市民数万人が参加した。ブルガリアのパルバノフ大統領は「我が国の歴史で最も重要な日の一つ」としながら「将来の成功は我々の努力次第」と述べ、改革継続の重要性を訴えた。

 欧州委員会のバローゾ委員長はビデオメッセージで「両国を家族に迎え、EUの相互関係と経済が活性化されるだろう」と27カ国体制に拡大した意義を強調した。
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ルーマニアの首都ブカレストで、EUへの加盟を祝う人たち=1日〔著作権:AP.2007〕


ルーマニアとブルガリアがEU加盟、各地で祝賀行事

 【ウィーン1日共同】AP通信などによると、1日に欧州連合(EU)に新たに加盟したルーマニアとブルガリアの首都などで12月31日から1日にかけて加盟を祝う行事が行われた。新年のカウントダウンとともに花火が打ち上げられ、集まった市民が喜びに沸いた。

 ルーマニアのブカレストでは中心部の広場に数万人が集まり、バセスク大統領は「困難な道のりだったが、われわれはEUに到達した」と述べた。1月からのEU議長国ドイツのシュタインマイヤー外相らも式典に出席した。

 ブルガリアのソフィアでは、パルバノフ大統領が「今日はわが国の歴史で最も重要な日の一つ」とする一方で「将来の成功はEUによってではなく、われわれ自身の努力次第だ」と国民に呼び掛けた。中心部に数万人が繰り出し、新年を迎えるとともに「ウエルカム・ヨーロッパ」と書かれた数百個の風船が空に放たれた。


拡大に不満、条件厳格

ルーマニア・ブルガリアがEU加盟


ルーマニアの首都ブカレストの縫製工場で28日、EUの旗の増産に追われる女性従業員=EPA・時事

 【ベルリン=三浦耕喜】欧州連合(EU)は1月1日からルーマニアとブルガリアが新規に加盟し、27カ国体制となる。来年は1957年に欧州経済共同体(EEC)の設立条約が調印されてから50年。EUは大西洋から黒海までをつなぐ国家連合へと発展した。だが、すでに拡大にはブレーキがかかり、両国の加盟にも厳しい条件が付いている。

 27カ国体制となることで、EUは人口で約3000万人増え、約4億9300万人になる。6カ国の計約1億7000万人から始まった欧州統合の動きは、3倍の拡大を果たしたことになる。

 しかし、ルーマニアとブルガリアの加盟に、EUは条件を付けた。EUの行政機関である欧州委員会は、両国における農作物の安全基準や汚職、組織犯罪への対策が不十分と指摘。改善が見られない場合は、EUから拠出される補助金を削減するなど制裁を科すよう求めた。

 厳しい条件を付けたことには、現加盟国内に拡大路線に対する不満が高まっていることが背景にある。

 EUは2004年に旧東欧諸国など10カ国を加えたが、これにより、安価な労働力に仕事を奪われる不安が増大。補助金としてEUの予算が新規加盟国に流れることにも、拡大のメリットを疑問視する声が大きくなった。

 このため、昨年にはフランス、オランダ両国の国民投票で、さらなるEUの拡大に備える欧州憲法条約が否決されている。

 今月15日のEU首脳会議でも、今後の加盟候補国には加盟基準を厳格に適用する方針を明記。トルコなどの新規加盟に慎重な方針を打ち出した。

<EU拡大の歩み>
1951年4月
 フランス、西ドイツ(当時)、イタリア、オランダ、ベルギー、ルクセンブルクの6カ国が欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)設立条約に調印
57年3月
 6カ国が欧州経済共同体(EEC)設立条約に調印
67年7月
 欧州共同体(EC)発足
73年1月
 英国、アイルランド、デンマークが加盟、9カ国に
81年1月
 ギリシャ加盟、10カ国に
86年1月
 スペイン、ポルトガルが加盟、12カ国に
93年11月
 EU発足
95年1月
 オーストリア、フィンランド、スウェーデンが加盟、15カ国に
99年1月
 ユーロ導入
2002年1月
 ユーロ現金流通
04年5月
 ポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリー、スロベニア、エストニア、リトアニア、ラトビア、マルタ、キプロスが加盟、25カ国に
07年1月
 ルーマニア、ブルガリアが加盟、27カ国に

 (ベルリン支局)


ルーマニアとブルガリア、07年EU加盟へ

2006年09月26日

 欧州連合(EU)の行政機関である欧州委員会は26日、ルーマニアとブルガリアの07年1月1日のEU加盟を認める報告書を発表した。12月のEU首脳会議で加盟を正式承認し、EUは来年、27カ国に拡大する。ただ司法改革やEU農業補助金の分配、食の安全の3分野については、両国とも問題が残るとして、EUはこの分野の改革の進展を監視する考えだ。

 EU拡大は04年5月、ポーランドやチェコといった中欧諸国など10カ国が加盟して以来。人口約2200万人のルーマニア、約800万人のブルガリアの加盟で、EUの人口は約4億9000万人になる。

 欧州委は報告書で、両国に対し、司法改革や汚職防止、組織犯罪やマネーロンダリング(資金洗浄)対策の強化といった注文をつけた。EU農業補助金が国内で適切に配分される仕組みの整備や、動物検疫の強化など食の安全の充実の必要性も指摘した。 欧州委は原則として加盟から3年間、改革の進行状況を監視する。不十分だと判断すれば、両国に対して欧州共通逮捕状の適用凍結や、農業補助金の減額・支給停止といった制裁措置をとる。欧州単一市場への参加を制限することもできる。

 EU内では相対的に貧しい両国の加盟で、現加盟国への移民流入が加速するとの懸念も強い。また現行の基本法「ニース条約」は27の加盟国しか想定していないため、今後の拡大には「EU憲法」などの新基本法が必要。クロアチアとマケドニア、トルコが加盟候補国として控えるが、加盟実現までに時間がかかるのは確実だ。


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