「私は世界地図、日本はわきの下」 中東欧、占い脚光(2/3ページ)

2009年6月20日アサヒ・コム

世界地図を手に、地震が起きる場所と体の痛みとの関係を説明するマヤ・ポポーバさん=ソフィアで、玉川写す
パソコンを使って、受講者たちにホロスコープの見方を解説するコルチェマロシュ・マグダ教授(左手前)=ブダペストで、玉川写す

  

 地震が多いブルガリアでは共産主義政権下の80年代後半、神経系の患者約70人を対象に地震の前後で体の痛みの変化を調べたことがあるという。ただ、ラングロフ氏は、世間の過剰な反応にはついて行けないと話す。「神秘的な面ばかりが強調されている」

■占星術「心を強く保つ道具」

 4月半ば、ブルガリア南部のハスコボ市で、男性占星術師が「大地震が起きる」とインターネットのサイトで繰り返し警告した。2週間前にイタリア中部で約300人が犠牲になる地震が起きたばかりで、パニック状態に陥った市民が教会や保険代理店に殺到。数百人が野外で眠れぬ夜を過ごした。が、結局何も起こらず、占星術師は検察当局の取り調べを受けた。

 ルーマニアの首都ブカレストで3月、テレビのトークショーで予言者が「大地震が起きて2万人が死ぬ」と発言。当局が「根拠のない情報を流した」として、テレビ局に1万レイ(約32万円)の罰金を科した。ところが数週間後に中規模の地震が起きたため、テレビ局側が支払いを拒否。国を相手に裁判を起こした。

 ハンガリーの首都ブダペストでは占星術講座が人気だ。

 「星が変わって、これからお金が入りますよ」

 週末の昼下がり、アパートの一室。占星術師のコルチェマロシュ・マグダ教授(69)が語りかけた。相手のコンピューター技術者の男性はその前の週、約1年ぶりに仕事が見つかったばかりだ。

 大学で心理学を教えるマグダ教授は、20年前から副業で趣味だった占星術の講座を開いている。受講生は18〜76歳の約30人。医師や企業経営者もいる。月1回の受講料は8千フォリント(約4千円)。

 プロになる人は一握り。「自分のために占いたい人ばかり」とマグダ教授は言う。





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